究極の疲れないカラダとは?日本人の「健康常識」が覆る※写真はイメージです

 

要約者レビュー

究極の疲れないカラダとは?日本人の「健康常識」が覆る『世界の最新医学が証明した 究極の疲れないカラダ』
仲野広倫、 280ページ、アチーブメント出版、1300円(税別)

 著者は、ニューヨークのマンハッタンで開業する、筋肉骨格系専門のスポーツカイロプラクターだ。日本では、カイロプラクターは国家資格などが存在しないため、マッサージの類だと思っている方も多いだろう。だが、日本と違ってアメリカでは、カイロプラクターは医師のライセンスを得て徒手治療をおこなう職業である。症状の診断を下すためにレントゲンやMRIなどの画像診断、血液検査も必要に応じて実施するが、基本的に薬や注射、手術をしない治療をする。

 著者の治療は、ウォール街のビジネスパーソンはもちろん、五輪メダリスト、そしてハリウッドスターからも厚い信頼を受けてきた。その治療のプロセスの中で顧客に指導してきた内容をまとめたのが、本書『世界の最新医学が証明した 究極の疲れないカラダ』である。

 表題の「究極の疲れないカラダ」とは、何十年も動ける、疲れ知らずのカラダということだ。そのための鍵となるのは機能運動性であり、ひたすらストレッチをすることも、ジムで自転車こぎをすることも、機能運動性の向上にはさして効果はないらしい。また、日本人の間違った健康常識について、世界の先進医療の観点から鋭い指摘がなされているのも興味深い。

 ぜひ本書で、自分で自分のカラダを調整し、健康を守る方法を学び、試してみてほしい。何もしていないのに疲れてしまうという方や、いつまでも若く元気でいたい方、必読である。 (二村 英仁)

本書の要点

(1) 機能運動性とは、柔軟性・安定性・バランスの総合で決まる、思い通りにカラダを動かす能力である。「究極の疲れないカラダ」を手に入れる鍵は機能運動性の向上にある。
(2) 機能障害への対策は、正しいカラダの使い方を知り、その上でトレーニングをするということが大切だ。また、不調の原因を簡単にストレスのせいにしてはいけない。機能運動性が落ちたまま放置すれば、根本的な改善はない。
(3) 日本人は、自分の症状を専門家がなんとかしてくれると思い込んでいる。大切なのは、自分の症状は自分で治すという意識である。