日本企業の残業を減らす10の施策、会議は30分・7人まで

企業に適した「時短」は
組織のタイプによって違う

 働き方改革で、労働時間の短縮についていろいろな議論が行われている。

「時短推進派」は社外の交流が増えて創造性が高まることや、早く帰るための「締切効果」、ワークライフバランスがとれるメリットを強調する。

 一方、「時間管理不要派」は仕事と遊びに境目はないから労働時間の抑制は無意味であると言い、盲目的な時短はやめるべきだと主張する。

 いずれにせよ、時短にも「良い面」と「悪い面」がある。悪い時短はときに企業を破壊する。生産性も成長性も消滅させる恐ろしいものだ。今回は、経営にとっても従業員にとってもよい時短を目指すための方法を考えてみたいと思う。

 はじめに、時短を取り入れる際には「組織の型」を見極める必要があることをお伝えしたい。組織は次の2つの型に大別できるものだ。

 一つ目は戦略主導型(集権分離モデル)といい、トップダウン型の組織だ。ブレーン集団を従えた強力な「経営者(トップ)」がいて、その下に「実務をやる人(たち)」が並列にぶらさがっている。

 ブレーンたちは「情報分析とコンセプト設計をする人(考える人)」であり、「実務をやる人」と業務がはっきり分かれている。こうした組織では、問題が発生すると「実務をやる人」は状況を報告して家に帰り、ブレーンが対応策を思案し検討し、トップが意思決定する。ブレーンとトップには多大な負荷がかかるが、多数派を占める実務をやる人にとって負荷が少ない仕事の仕方であり、トップとブレーンを除くほとんどの人の労働時間は多くない。