4KPC

なぜか出力されないHDR信号 原因はドライバー

 先日、インテルのミニベアボーンキット「NUC7i5BNH」をベースに、4K出力が可能なPCを組み上げた。我が家の4Kテレビに接続するためだ。

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4Kテレビは東芝「レグザ Z810X」を使用。入力信号の情報が細かく表示されるのが便利

 いざ4Kテレビにつないでみると、4Kでの出力は問題なくできた。しかし、HDR(ハイダイナミックレンジ)が有効にならない、という問題が残った。

 NUC7i5BNHの搭載するHDMIは「2.0a」で、4K/60pでHDR出力にも対応するはず。そして、HDRはWindows 10の「Windows 10 Fall Creators Update」を導入することで利用できるようになるが、このアップデートも適用済みだ。

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テレビの入力信号情報画面。HDR信号は流れていない

 本来ならHDR対応ディスプレーにPCを接続すると、ディスプレーのプロパティーに「HDR」という項目が出るはず。でも、我が4K PCでのその項目が出ない。

 やはりPC用ディスプレーじゃないとだめなのか、4Kテレビじゃダメなのか、とちょっと焦りはじめたが、ここは冷静になってドライバーを更新してみることにした。

 インテルのユーティリティー(ドライバー&サポート・アシスタント)をダウンロードして、改めて全ドライバーを最新のものに更新。このユーティリティーは最新ではないドライバーをすべて検出して更新してくれるので、これでシステムは最新の状態になっているはず。

 しかし……それでもHDRは有効にならない。

 あと考えられるのは、デバイスとしてテレビがちゃんと認識されていない可能性。

 そこで、デバイスマネージャーでディスプレーやグラフィックスドライバーを確認してみるが、ちゃんと認識されている。

 特に問題なさそうだ、と思いながら、何気なくグラフィックスドライバーの「ドライバーの更新」ボタンをクリックしてみる。

 すると、更新がはじまった。インテルのユーティリティーですべて最新のドライバーに更新したはずなのに……。

4KPC
ディスプレーのプロパティーに「HDR」の文字が

 更新後、ディスプレーのプロパティーを見てみると、「HDR」の設定項目が現われた。

 オンかオフかを選ぶだけだが、どうやらHDRが使えるようになったようだ。

 実際「Netflix」アプリを立ち上げてコンテンツを見てみると「HDR」の表示がある。HDR非対応機器では出ないはずなので、HDR対応機器として見えているのだろう。

HDRのオン/オフで画質は違うのか!?

 というわけで、HDR出力ができたわけだが、そもそもHDRにすることで何のメリットがあるのだろう?

 HDRはダイナミックレンジの拡張技術の総称である。これは動画も静止画も同じで、静止画(デジカメ)の場合は複数枚の写真を連写し、合成して階調の多い写真を生成する。

 動画のHDRは大きく分けると「PQ」(Perceptual Quantization)と「HLG」(Hybrid Log Gamma)の2方式がある。前者は「HDR 10」としてUHD BDに採用されており、後者は放送やデジタルカメラ/ビデオのHDR記録方式で採用されている。

 テレビの入力信号情報で確認したところ、我が4K PCで出力されているのはPQ方式のようだ。つまりHDR 10を採用するUHD BDの再生もできるのだろう。

 一方で、デジカメなどで撮影したHDR(HLG方式)は再生できても、きちんとしたHDR映像としては表示されないと思われる。

 では、実際にHDRにすることで画質に違いはあるのだろうか? まず、4K PCで静止画を表示させ、HDRオンとオフで画面をキャプチャーしてみた。

 しかし、2枚のキャプチャー画像に違いはない。そこで今度は4Kテレビの画面をデジカメで撮影してみた。

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4KPC
HDRオン(左)とオフ(右)

 結果としては、画質は異なってくる。ダイナミックレンジが広がっているかどうかはよくわからないが、黒が引き締まって見える。

 その傾向は動画も同じで、YouTubeのHDR映像を表示させてみると、非HDRよりも黒い部分の描写が引き締まって見える。

 YouTubeのHDRを忠実に再現しているかはわからないが、少なくともデスクトップに表示された画像や映像の立体感が高まっているような印象だ。

音楽CD用に光ドライブがほしい

 さて、NUC7i5BNHにはmicroSDカードスロットはついているが光ドライブはついていない。あれだけコンパクトなのだから当然だ。

 それはわかっていたが、筆者はよく音楽CDを買ってきて、楽曲を携帯音楽プレーヤーに転送する習慣があり、光ドライブは必要。

 それもわかっていたので、事前に光ドライブを調達していた。パイオニアのBlu-ray Discドライブ「BDR-XD06J-UHD」(実売価格 1万4500円前後)と「BDR-S11J-X」(同3万3000円前後)だ。

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パイオニアの「BDR-XD06J-UHD」と「BDR-S11J-X」

 前者はポータブルタイプで後者は3.5インチベイ内蔵タイプ。実はでき上がる4K PCがどんなタイプになるのかわからなかったので、両方調達しておいたのだ。

 BDR-XD06J-UHDは、音楽ファイルのデータ補間を極力低減する「PureRead3+」機能を搭載。通常、音楽CDの読み取りでエラーが発生するとデータを補完してファイルを生成するが、そうすると音質が悪くなる。そこで、PureRead3+では読み取れなかった部分を再度読み取りを試みて、それでもだめならさらに読み取りを実行。できるかぎりデータ補完を行なわないようにする。

 BDR-S11J-XはPureRead3+をさらに機能強化した「PureRead 4+」を搭載。さらに、読み込む音楽CDを診断し、最適な設定などを提示する「オーディオCDチェック機能」も搭載する。そのほか、防振ゴムの装備や銅メッキのネジなど、強力な音楽取り込み性能を持っている。

 BDR-S11J-Xを使えば最強のAV PCができそうだし、検討もしていたのだが今回は予算とスペースの都合でミニPCにしてしまった。ということで、BDR-XD06J-UHDを使うことにした。

 BDR-XD06J-UHDはAC駆動もできるがバスパワーでも動作可能。だが、その場合はUSBポートを2つ使用する。一方で4K PCのUSBポートは4つしかないため、マウスとキーボードをつないだら埋まってしまう。

 今のところはそれ以上の機器をつなげるつもりはないが、今後USB HDDなどを増設する場合は、USBハブを買うか、キーボードをタッチパッド内蔵のものとするか、BDR-XD06J-UHDのACアダプターを調達してUSB1本で接続するか、という選択を迫られそうだ。

UHD BDの再生に挑戦するも撃沈
CPUが非対応

 実はBDR-XD06J-UHDとBDR-S11J-XはUHD BDの再生に対応している。我が4K PCでUHD BDの再生ができるか試してみることにした。

 HDRに対応しているのだから、普通に再生できるはず――と安直に考えていたのだが、なかなか手順が面倒だ。

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UEFIを呼び出して「Intel SGX」の項目を「Enable」に変更

 まず、UEFIのセキュリティー設定で「Intel SGX」(Software Guard Extension)を「Enable」とし、メモリーサイズを「128MB」に設定。

 その後、Windowsを起動してドライブに付属の「PowerDVD 14」をインストール。

 ドライブにUHD BDを入れてPowerDVD 14を起動すると、Intel SGX用ソフトウェアをインストールするように促されるので、流れに任せてインストールを完了させる。

 これでUHD BDが再生されるはずだが……結果はNG。

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CPUが条件を満たしていないとのエラーメッセージ

 条件としては第7世代のCore iプロセッサーだし、グラフィックスはIntel HD Graphics 630だし、Intel SGXも使えるし……と、パイオニアのサイトの動作環境を改めて確認していたら、プロセッサーのところに注約がある。

 なんて書いてあるかというと「Uプロセッサー非対応」。我が4K PCのCPUはCore i5-7260U。Uプロセッサーでした……。NUCの限界というところか。

 UHD BDまで再生させたいとなると、前述の最強のAV PCを目指すべきなのだろう。そうなると、ベアボーンではなく、ちゃんと自作すべきかもしれない。