[ドバイ/リヤド 1日 ロイター] - サウジアラビアの3000億ドルの民営化計画は、ムハンマド皇太子が鳴り物入りでお披露目した昨年春には歴史的な取り組みと称された。しかし官僚主義の厚い壁や法制度の不備、政府部局による頻繁な優先事項の変更、さらには投資家の間に広がる倦怠感など障害が山積みで、計画は遅々として進んでいない。

 関係者の間からは、王族や閣僚が身柄を拘束された先月の汚職摘発を巡る不透明感の高まりも、投資家が様子見を決め込む一因になったとの声が上がっている。

 計画の柱となる国営石油会社サウジアラムコの株式上場は、ムハンマド皇太子が10月にロイターのインタビューで予定通り来年実施すると言明したにもかかわらず、まだ海外での上場先が決まらない。

 穀物貯蔵・製粉、郵便、医療などの分野でも民営化がはかどらない。

 民営化に関わっているサウジの銀行関係者は「(大方の予想よりも)時間が掛かるだろう。政府やもっと下の段階で優先課題が変わることが足かせになっている。公的部門は体制が古く、記録を保存しておらず、民営化の厳しさに対応する形になっていない」と話す。

 民営化計画は、ムハンマド皇太子が打ち出した、脱石油依存を目指す経済改革計画「ビジョン2030」の要。しかしアナリストなどによると、規制体系が整備されていないために、投資家は出資した場合に人員解雇の権限などの経営権をどの程度与えられるのか確信が持てないという。