12月5日、欧州ではマクロ経済と企業利益が改善し、政治不安は後退している。それにもかかわらず投資家は、米銀に比べて欧州銀の株式保有拡大には腰が重い。フランクフルトのECB本部で7月撮影(2017年 ロイター/Ralph Orlowski)

[ミラノ 5日 ロイター] - 欧州ではマクロ経済と企業利益が改善し、政治不安は後退している。それにもかかわらず投資家は、米銀に比べて欧州銀の株式保有拡大には腰が重い。大きな理由は、欧州の金融システム強化に向けた規制面の取り組みのタイミングや範囲に不透明感が広がっていることだ。

 今年前半は、フランス大統領選にマクロン氏が勝利して政治リスクが払しょくされた上に、景気回復が予想を上回るペースで進んでいるデータが示されたため、欧州株は値上がりした。

 ところが足元を見ると、欧州中央銀行(ECB)とバーゼル銀行監督委員会がそれぞれ整備に動いている規制が欧州銀に新たな資金調達を迫り、配当に悪影響を及ぼしかねないとの懸念が台頭し、銀行株は伸び悩んでいる。

 メディオバンカ・セキュリティーズの銀行アナリスト、アンドレア・フィルトリ氏は「規制が正真正銘の障害だ。経済の話であれば、投資家は銀行株を買っている」と話す。

 多くの投資家にとって最も気掛かりなのは、ECBが10月に示した銀行に不良債権引当金の積み増しを求める提案だ。財務基盤の弱い銀行であれば、実行するために株主に増資を要請せざるを得なくなる。

 このルールにイタリア議会は猛反発し、中小企業向け融資を妨げ、ひいては経済成長を阻害する恐れがあると主張。欧州議会の一部からは、ECBの過剰な権限行使だとの声も出ている。