自動車産業と情報通信産業の
双方にまたがる大潮流が出現

 Google、Pandora、Intel、SNYC、OnStar。

 大型スクリーンに、そうしたビックネームが出るたび、日米欧、中国、韓国、東南アジアから参加した約300人の目が真剣みを増した。

 ヒルトン東京4階。イベント名は、第三回「テレマティクス ジャパン」(2011年11月30日~12月1日)だ。

「テレマティクス ジャパン」は英国に本部を置くFC Business Intelligence社が企画運営しているプライベートシンポジウムの「テレマティクス アップデート」を日本で開催するもの。2年前に第41回東京モーターショー(千葉県幕張メッセ)開催に合わせて第一回を行い、今年で3回目となる。

 今回の講演者は、自動車メーカーから日産、ホンダ、いすゞ、BMW。サプライヤーからデンソー、日立ソリューションズ、NEC、オートモーティブシステムズ社(パナソニック)等。通信関連事業者はNTTドコモ、米Verizon、ノルウェイのtelenorとNokia。この他、欧米のIT系、ソフトウエア系やコンサルタント会社だった。

スマホがクルマを潰す時――日本は勝ち組か負け組か<br />自動車産業激変期に第3の波「テレマティクス」が本格化第三回「テレマティクス ジャパン」座長、日立オートモーティブシステムズ株式会社理事・CIS事業部長の篠崎雅継氏。
Photo by Kenji Momota

 今回の開催で座長を務めた、日立オートモーティブシステムズ株式会社・理事/CIS事業部長の篠崎雅継氏は、テレマティクスの現状と今後の可能性についてこう語る。「今回の各種発表を見ても明らかなように、スマートフォンとクラウドの世界的な普及により、今後5年以内にテレマティクスは急速に発展することは間違いない。近年中に様々なカタチのビジネスチャンスが生まれる。(自動車産業と情報産業における)ブレークスルーは、通信キャリアの影響力もあるが、キーファクターはやはり、自動車メーカーが(次世代型のテレマティクスへの対応に)どのような決断を下していくかだ」