どうしてもスキー板がほしい
友人Bの主張

 しばらくしてから新品の板を片手に現れた友人Bが私に「この板を安く譲ってくれない?」と言いました。

 その条件は以下です。

・くじ引き代金三人分は自分が支払う=トータル6000円
・前日の宿での飲み代は支払う=トータル2000円以下

 つまり、「くじ引きをしていないことにして、自分が当たったことにしてほしい」というのです。

 しかも、私にこの相談をする前に、すでに自分がもらえる前提で他の手続きは済ませていたようです。ちなみに、もう一人の友人Aは新しい板を買ったばかりだったため、事前に根回しをしてこの条件でOKをもらっていた模様。

 くじ引きの前に「今年は板を買い替えなくちゃ」と言っていた私との交渉は、外堀を埋めてから進めようと思っていたようです。

 友人Bとは30年近い付き合いがあり、学生時代は毎日のように会っていた仲ではあります。ただ、ここ数年は年に一度会うか会わないかの関係で、ちょっと精神的な距離は離れている状態でした。

 そのような関係性の中で、明らかに公平性に欠ける条件を提示したことに強い興味を持ち、「分かった、板は持っていっていいよ。ただし、その条件で交渉しようとした思考プロセスを詳しく聞かせてほしい」と依頼しました。