上海で見た「雪解けモード」の中国、日本は緻密な戦略を写真:首相官邸HPより

 一年振りに上海を訪れた。

 日中関係の展望について中国のシンクタンク関係者と討論することが目的だったが、中国側は明らかに「雪解けモード」で、日中関係の改善に向けて光が差し込んでいるような雰囲気があった。

 中国は5年毎に開かれる共産党大会を終え、新たな飛躍に向けての踏み台に差し掛かっているといった観もある。ただそこには飛躍に向けて多くの問題をどう克服していくのかの戸惑いも感じられた。

 中国は何処に向かうのか。日本がとるべき戦略もあわせ考えてみたい。

「習近平思想」が意味するのは
改革開放と厳格な党内統治

 習近平総書記は今回の19期共産党大会で権力基盤を固めることに成功した。

 それを象徴するのは、党規約の中に「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」という長々しい語句ながら、自分の名前を冠した思想を記したことだろう。