iDeCo(個人型確定拠出年金)おすすめ比較&徹底解説[2018年]
2018年1月5日公開(2018年3月15日更新)
バックナンバー 著者・コラム紹介
山崎 俊輔

40代から「iDeCo」を使って老後資金を増やす方法!
「iDeCo」以外の資産も考慮して、節税メリットと
期待リターンを計算する効率的な運用戦略を伝授!

iDeCoのおすすめ金融機関

 「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」は、掛金が全額所得控除になるだけでなく、運用益が非課税になるなど、節税メリットが大きく、老後の資産形成にお得な制度です。

 これまで20代と30代の「iDeCo攻略法」を考えてきましたが、今回は「40代編」です。40代については、「これからiDeCo口座を開設する人」と「すでにiDeCo口座を保有している人」がそれぞれ一定数いらっしゃるかと思います。そこで今回は、その2つのパターンを想定して「40代のiDeCo攻略法」を考えていきます。

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20代で「iDeCo」を始めるメリット・デメリットは? 会社員なら10年で最大55万円超が節税できるほか、30年以上の時間を味方にすれば運用益も期待できる!
30代は「iDeCo」を始めるのにベストなタイミング! 20年以上の時間を味方にして、掛金は月1万円以上、100%投資信託に投資して運用利回りアップを狙おう
50代から「iDeCo」を始めるメリットと注意点は? すでに「iDeCo」に加入している50代はいつ利益確定すべきか、60歳で後悔しないための運用戦略も解説!

40代で「iDeCo」口座をまだ保有していない人は、
今すぐに「iDeCo」の口座開設をすべき!

40代のiDeCo加入40代でまだ「iDeCo」に加入していない人は、今すぐ「iDeCo」口座の開設をしましょう!

 まず、40代からの「iDeCo」口座の開設について考えてみましょう。もし40代に突入しているにもかかわらず、まだ「iDeCo」口座を開設していない人は、今すぐ「iDeCo」口座の開設をしましょう。

 「iDeCo」口座の開設を遅らせる最も多い“言い訳”は、「家計に余裕がない、苦しいから」というものです。しかし、この言い訳は口にしないほうがいいでしょう。「iDeCo」の口座開設は、「後で」考えてもどうにもなりません。50代でようやく「iDeCo」口座を開設しても、そのときには「iDeCo」のメリットをあまり得られないからです。

 第一の理由は、50代で「iDeCo」を始めても積立額の累計が大きくならないことです。特に、月に拠出できる掛金の限度額が1万2000円だった場合、10年で最大144万円の元本しか積み立てられません。50代になって、「子どもがようやく社会人になったから、毎月4万円は積み立てられる」というような経済的余裕が生まれたとしても、拠出枠はそれ以上増えません。こうした元本が少ない状態を解消するには、「iDeCo」を早くスタートするしか方法はありません。

 また、50代で「iDeCo」に加入した場合、積立期間が10年に達しないときには、受け取り開始年齢に制限が生じます。「iDeCo」の口座があった期間(掛金を出していた期間も拠出していなかった期間も含む)と、企業型確定拠出年金の加入者であった期間の合計(「通算加入者等期間」という)が10年に満たなかった場合、加入期間に応じて受け取り開始年齢が、下記のとおり遅くなります。最大で65歳まで受け取れない場合もあるのです。

<受取開始可能年齢> <加入期間>
    60歳       10年以上
    61歳       8年以上10年未満
    62歳       6年以上8年未満
    63歳       4年以上6年未満
    64歳       2年以上4年未満
    65歳       2年未満

 例えば55歳から「iDeCo」に加入した場合、加入期間は5年なので累計72万円(拠出可能限度額が月1万2000円の場合)しか元本が積み立てられない上、63歳までは受け取りを据え置かれるわけです。これではおもしろくありません。

 50代になってから「もっと早くからiDeCoで積み立てておけばよかった……」と後悔しないために、どんなに家計が苦しくても40代で気がついたらすぐに「iDeCo」の口座開設をすることをおすすめします。

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40代のiDeCo活用のカギは「節約」!
掛金の上限金額まで資金を確保しよう!

 これから「iDeCo」口座を開設する人にとっては、「iDeCo」の資料請求と合わせて、もうひとつ取り組むべき大きな課題があります。それは「iDeCo」に拠出する資金をどう確保するかということです。

 すでに「iDeCo」口座を開設している場合も、可能な限り、掛金の金額は上限に設定しておくことが大切です。拠出可能限度額が月1万2000円の人はもちろん、月2万3000万円が掛金の拠出可能限度額の場合(会社に企業型確定拠出年金や企業年金制度がない会社員など)、あるいは月6万8000円が拠出可能限度額の場合(自営業者など)、拠出金額が上限額に達していないならば、できるだけ掛金を増やしたいところです。

 掛金を増やすということはすなわち、家計の見直しが必要になる人も多いことでしょう。何も努力しなくても老後のための貯金を増やせる余裕がある40代の家庭は、それほど多くありません。そこで、まずは家計を見直して月1万円程度の節約を実現することが大切です。そして、その節約で生まれたお金を「iDeCo」の掛金の原資とするのです。

 老後のためにさらに節約をするのは苦しいと思いますが、このお金は将来の自分のためのものですから、老後に必ず報われることになります。ですから、「iDeCo」の掛金を捻出するのは、頑張りがいのある節約だと考えてみてください。なお、この連載で「iDeCo」の資金を捻出するための節約のヒントを紹介していますので、詳細はそちらを参照してください。

【※iDeCoの掛金を捻出する「節約のヒント」はこちら!】
iDeCoに加入しても「やってはいけないこと」とは?60歳まで引き出せないiDeCoの掛金を捻出するには、固定費や生活費の「前向きな節約」を実行しよう!

40代からの「iDeCo」の運用戦略は、
「iDeCo以外での運用」とのバランスで考える

 さて、ここからは「iDeCo」口座をすでに持っている人、およびこれから「iDeCo」を開設して運用を始める人の運用戦略を考えてみましょう。

 「iDeCo」の残高は、40代で1000万円を超えることはほとんどありません。掛金の上限金額と、積立期間にもよりますが、「iDeCo」では必ずゼロベースからの積み立てになるので、40代の会社員で「iDeCo」口座の残高が1000万円を超えるようなことは考えられないからです(自営業者が20代や30代前半から年間上限金額の81.6万円を積み立てた場合は、1000万円を超えることもある)。

 この場合、運用戦略として効率的なのは、積極的な投資方針を持って、60歳以降の受け取り開始まで可能な限り非課税メリットを活かすことです。

 「iDeCo」の大きなメリットの1つは、運用益が非課税になることです。これは定期預金でも投資信託でも享受することができます。仮に定期預金が年平均0.1%、投資信託が年平均4.0%の期待リターンのある運用対象だとしたら、「0.1%→課税後0.08%」「4.0%→課税後3.2%」のどちらを選んだほうが運用益の非課税メリットを活かせるでしょうか。明らかに、「iDeCo」口座では期待リターンの高い「投資信託」を保有するほうが効率的になるわけです。

 といっても「無条件にリスクをとって運用をすべき」といっているわけではありません。「iDeCo」口座内でリスクを取る代わりに、「iDeCo」口座以外でリスクをコントロールすることが大切です。

 仮に
 「iDeCo」口座内  300万円
 「iDeCo」口座以外  500万円

の資産があったとして、リスク資産を50%ほど保有してもいいと考えているケースを考えてみます。

 まずは「iDeCo」口座と「iDeCo」口座以外でそれぞれリスク資産を50%保有するというポートフォリオを組んだとしましょう。

(1)「iDeCo」口座と「iDeCo」口座以外のどちらでも投資信託50%で運用した場合
 ●「iDeCo」口座内  300万円
  うち定期預金 150万円 年0.1%
  うち投資信託 150万円 年4.0%
 ●「iDeCo」口座以外  500万円
  うち定期預金 250万円 年0.08%
  うち投資信託 250万円 年3.2%

 この場合、全体での利回りは1.79%です。

 もし「iDeCo」を効率的に活用するなら、「iDeCo」口座以外で定期預金を厚めに保有し、「iDeCo」ではリスク資産の保有割合を多くします。

(2)「iDeCo」では投資信託100%、全体では投資信託50%で運用した場合
 ●「iDeCo」口座内  300万円
  うち定期預金 0円
  うち投資信託 300万円 年4.0%
 ●「iDeCo」口座以外  500万円
  うち定期預金 400万円 年0.08%
  うち投資信託 100万円 年3.2%
   →さらにNISA口座で投資 年4.0%にする

 全体での投資比率は「定期預金 400万円:投資信託 400万円」ですから5割は維持されていますが、期待利回りは年1.94%と、(1)のポートフォリオに比べて年0.15%アップしています。

 たかが年0.15%増えただけと思うかもしれません。ですが、40歳からそれぞれのモデルで投資をはじめて、この後も「iDeCo」に月1万2000円、「iDeCo」以外でも同額を積み立て続けたとすれば、20年後の60歳時点では(1)1926万円と(2)2056万円で、およそ130万円の差が開きます(さらに効率的なモデルはNISA口座も活用)。

 もし「運用成績は同じ」なら、「iDeCoとiDeCo以外での資産配分を工夫」するだけで受け取り額が大きく変動することになるわけです。

40代では「損失確定」も「利益確定」も急がない

 なお、「iDeCo」では60歳まで長期投資を前提とした積み立てが継続されます。「iDeCo」口座の中で投資信託を売却したとしても、再び「iDeCo」口座の中で運用を継続しなくてはならず、中途解約はできません(ただし、元本確保型の定期預金で運用することは可能)。

 短期的に投資信託の成績が下がっていたとしても、損失確定は絶対に行わず、市場の回復を待つ(かつ株価下落時にも積立投資は継続する)ことが重要です。「iDeCo」口座内で損失確定をしてしまった場合、その損失は常に運用履歴に残り続けますが、損失分を取り戻すには、「損失確定したときより株価が下がっているときにもう一度投資をリスタートする」などの行動が必要です。これは、特に投資を始めたばかりの人にとっては難しい投資になります。

 また、あわてて利益確定を急ぐ必要もありません。市場が急騰したとしても全額を利益確定してしまうより、リバランスの見地から部分的な利益確定を行うほうがいいでしょう。

 40代は60歳までにまだ時間があります。それにもかかわらず、ここで大きく値上がりしたからと全額を利益確定してしまうと、今よりもさらに値上がりをした場合、ただ指をくわえて利回りアップのチャンスをみすみす逃すことになります。これは非常にもったいないことです。

 もし、どうしても売却したいという場合は、自分の許容していたリスク資産の割合をオーバーした分について「部分的に売る」のが望ましいでしょう。そして同時に、定期預金などの元本が確保された安全資産に戻した資金を、再投資するタイミングをうかがうようにしましょう。つまり、投資信託の価格が値下がりしたら、もう一度投資をリスタートさせるわけです。

 多くの人にとって、相場を読むのは極めて難しいことです。だからこそ、毎月の掛金の拠出を継続し、なるべく投資を継続し続ける。これこそが、40代の「iDeCo」の投資戦略として最も有効ではないでしょうか。

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山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)[ファイナンシャルプランナー]
1995年株式会社企業年金研究所入社後、FP総研を経て独立。ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士、AFP)、1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、消費生活アドバイザー。若いうちから老後に備える重要性を訴え、投資教育、金銭教育、企業年金知識、公的年金知識の啓発について執筆・講演を中心に活動を行っている。
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