すでに深夜であるが、ここであきらめるようでは、中国では生きていけない。えーっと、スカイプでも国際ショートメールが送れたはず、と、開いてみると、利用があまりに久々であったために、支払い済みのお金も有効期限切れになっていた。再認証の暗証番号も忘れている。
再入金し、なんとかメッセージを送る。
友人の彼女は中国人に多いスマホ依存型の人で、パソコンの電子メールはあまり見ない。中国人はメールを使う前にQQというSNSからスタートした人も多いのである。
中国人が日本で白タクを使うわけ
スマホアプリでとにかく便利
翌朝、友達に電話をし、さすがに相手も国際電話の番号には出て、連絡が取れた。お母さんは元気になったようで安心した。つまり万一の場合であれば葬儀に出てほしかったそうである。
W-iFiで中国のスマホをタブレット代わりにしていたので、その他、もろもろ大変だったが、いろんなことの起こる不安定社会・中国にいると、スマホが壊れたぐらいではまったく落ち込まなくなる。
困ったのは、東京でタクシーを拾おうと思った時である。
荷物があるのに、なかなか空車が来ないので、(なんで日本はスマホの滴滴〈中国のタクシー配信アプリサービス)がないの!)とイライラした。
中国人の日本での白タク不法行為を決してかばうわけではないが、中国だとスマホのアプリを開くと、自分を中心とした地図の上に近くの空車がピコピコ動きながら、全部表示される。
そしてスマホに行き先を入力すると、タップ一つで、周囲の空車に送られ、早い者勝ちでつかんだ運転手さんから速攻で連絡がくる。タクシー側も(こんな近距離の仕事はいやだな)、(帰り道だから行ってもいい)など、仕事が選べる。金額の上乗せ交渉も簡単である。
あれに慣れていると、「日本は不便だな」という気になる。ましてや中国人なら言葉も通じないので、なおさら不便に感じるだろう。それに中国では知人の白タクの方が安全で信頼できる時代が長かった。私も以前は、男性と女性のドライバーを確保していた。付き合いが長いとムリも聞いてもらえた。中国では昔はそれがスタンダードだったのである。