恋のエネルギーは、仕事のエネルギーに変換できるのでしょうか?

 世の中には男と女しかいません。

 民族も国籍も年齢も特技も性格も十人十色、千差万別ですが、結局、男か女です。地球上に生命が誕生して40億年、科学者たちが生命の神秘のメカニズムの解明に取り組んで、「性」こそ、生命が到達した種の保存のための偉大なシステムであることが分かって来ました。

 つまり、性は生命の鍵という訳です。だったら、異性に恋する気持ちは、生命の本質だ、と言っても過言ではないでしょう。

 ビジネスパーソンも仕事を離れれば、一人の人間、男か女です。素敵な恋愛で、人生充実の時を過ごしている人もいるでしょう。道ならぬ恋路に身も心も激しく焦がしている人もいるでしょう。あるいは、切な過ぎる片思いに人生の悲哀を感じている人もいるでしょう。ひょっとしたら、仕事が忙し過ぎて恋なんかしている暇もないという人、恋したいのに全く出会いがないという人だっている。

 緻密な知性と計算による鉄壁の戦略で、ビッグプロジェクトに臨む屈強のビジネス戦士だって、まるで中学生のような恋をすることだってあるだろうし、恋が心の大半を占めることだってある。

 そうなってしまった時はどうなるんでしょう?注意力散漫になって仕事で致命的なミスを犯すかもしれません。でも、火事場の馬鹿ヂカラ的にとてつもない大仕事をやり遂げる可能性だってあります。恋のエネルギーが仕事のエネルギーにとてつもない大きな仕事をさせてしまうかもしれません。

 と、言うわけで、今週の音盤は、ベルリオーズの「幻想交響曲」とエリック・クラプトンの「いとしのレイラ」です。19世紀のパリと20世紀のロンドン、クラシックとロック。時代も場所も音楽も異なりますが、若き音楽家が気も狂わんばかりに恋をして、恋するエネルギーが創造中枢を刺激した結果生まれた傑作、という共通項があるのです。