緩和継続の日銀は「リバーサルレート理論」に反論が必要だ

 金融緩和政策の効果について、「リバーサルレート」という考えが注目を集めている。

「金利がこの水準を下回ると、金融緩和政策は経済にとってかえって抑圧的な結果をもたらす」という理論だ。

 以下では、この考えの概略を紹介したあと、現在の日本の金利がリバーサルレートより低くなっている可能性が高いこと、したがって金融政策の継続は経済にとってマイナスであることを述べる。

リバーサルレートとは
金融緩和が経済に抑圧的な効果

「リバーサルレート」とは、プリンストン大学のマーカス・ブルネルマイヤー教授らが主張している理論だ。

 日本銀行の黒田東彦総裁は、11月13日のチューリッヒ中央銀行での講演で、この理論に言及した。