皆さん、こんにちは。自分で言うのもなんやけど、「採用の神さま」小畑重和です。

 2012年ももうすぐ終わりですね。9月30日から開始した「採用の神さまの日中就活ルポ」にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。年内最後のルポです。

 というか、最近ルポやないですね…。「昔話」や「論」が多かったですかね。申し訳ないけど、まー、気にしないで下さい(笑)。

前回前々回、「志望度の高い・すごく入りたい人より、志望度は低くても、活躍してくれそうな採りたい人を採る!ってのが採用魂なんです」という話をしました。では、採用担当者はそんな人をどうやって採っているんでしょうか。ボクの経験も含めたそんな話で今年を締めたいと思います。

無名企業の採用担当者だったボクが
商社希望の学生を口説き落とすまで

 ボクは1982年に、日本リクルートセンターで採用業務をスタートしました。

 当時の(株)日本リクルートセンター〈現在の(株)リクルート〉は全くの無名企業。「は?陸ルート?運送業ですか?」とか「ヤクルトの関連ですか?」という認識しかありません。

 日本リクルートセンターへの志望度が高い・すごく入りたい人っていうのは、基本的にはいません。いやいや、志望度の低い人って言う人もいないほどです。知られてないですから。

 そこで、新人や若手社員に、「後輩でおもろそうな人いいひんか?」と言って学生を紹介してもらい、接触を開始します。

 会って、「就職はどう考えてるの?」と聞くと、大体は、「商社に行きたいです」とか、「マスコミ希望です」とか、「金融を考えてます」とか言われ……紹介された学生は、もちろん日本リクルートセンターに興味も関心もありません。ですから初回の接触が、もっとも重要です。

「なんで商社を希望してるの?」とボクが聞くと、学生は、「日本は資源が少ない国です。だから海外貿易でバリバリ働きたいんです!そして色んな事業があるので可能性を感じるんです」なんて言うわけです。

 この時に、彼らが希望している業界・企業について、否定的なことを言ってはいけません。たとえば、「全員が海外行ってるわけやないで」とか、「商社は、基本その事業部に入ったら、ずっとそこやで」とか。ましてや、「リクルートも、新卒向けの媒体のほかに、住宅関連事業もやってるし、教育事業も、マンション販売事業なんかもいろいろやってるで」などと言ってしまうのは最悪です。