期待外れの2011年

 一昨年の今頃、2010年12月末にかけて、世界の市場参加者は2011年をどのように展望していただろうか。1年前を思い出せば、米国を中心に「大統領選の前年は景気回復しかありえない」「2011年はしばらくいい年になる」という「楽観的期待感」、もしくは高揚感に集約されていた。それから振り返り、足もとの状況はそれぞれの地域で大きく期待外れの1年であった。

2011年は当初、どこも金融政策の
「出口戦略」が期待された

 2010年末の世界各地の状況を振り返ろう。まず、米国は2010年11月に行なわれた金融緩和、QE2の高揚感から株高に向かっていた。さらにクリスマス商戦の活況も加わって、2011年は景気回復、金融政策ではエクジットに向かうことが皆の共通認識だった。もとより、大統領選前年のアノマリーとしても、「回復以外のシナリオはありえない」との議論も多かった。

 一方、欧州では2010年末、すでにギリシャをはじめとした債務問題が議論されていたが、それはあくまでもギリシャに限定された「局地戦」であり、欧州全般への波及というシナリオはなかった。

 したがって、マクロ面での回復基調から、ECBの金融政策は疑いの余地なくエクジットに向かうことが規定路線化していた。事実、ECBは2011年4月と7月に2回の利上げを実施した。

 新興国は、アジア中心に世界経済の「期待の星」そのものだった。その結果、世界から投資資金が流入し、インフレ圧力や自国通貨の上昇圧力が大きな課題になっていた。

 また金融政策では、インフレ圧力に対処すべく、金融引き締めが続いていた。日本は欧米の回復シナリオに新興国経済の高成長期待も加わり、2011年はリーマンショックの調整から脱する成長シナリオが展望された。