UBSのアナリスト、ジェーソン・ベッドフォード氏によると、商業銀行による融資の減損処理は2016年に50%も増えて約1兆4000億元となった。

 海外勢が中国の不良債権に最初に関心を示したのは10年前だが、当時は結局契約に至らなかったり、法律面の不透明感が増したりしたことで、やがて鳴りを潜めた。

 しかしそれ以来、中国のディストレスト債市場は商業化が進んでいる。かつては4大資産運用会社が、中国最大級の銀行から不良債権を買う寡占状態だったが、今は少なくとも地方に55の資産運用会社があり、不良債権の売却ルートもオンライン入札から地方の資産取引所での売買、証券化にまで広がっている。

 沿海部を中心に、法整備や構造改革が進んでいることも、海外勢の心を動かしている。プロの資産鑑定人やブローカーのほか、資産をチェックするためのデータベースが増え、裁判を巡る不透明感も薄れた。

 もっとも関係者らによると、中国の不良債権市場ではまだ、この2年間に設立された地方のディストレスト・ファンドが支配的な地位を占めている。また海外企業は、中国当局による為替管理や承認手続きに伴う諸々のリスクにも対処する必要がある。

 それでもPwC(香港)の不良債権専門パートナー、テッド・オズボーン氏によると、海外勢にとって前途は明るい。「中国が大規模な不良債権を売却する必要が出てきた場合、海外勢がそれを買う資金をきちんと用立てることができる唯一の存在であることに変わりはない」という。

(Matthew Miller記者)

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