「血液のがんに罹り、生活保護で暮らし始めて6年目です。病気のためにもバランスの良い食事を心がけていますが、苦しいです。暖房を使わないなど、光熱費を節約するしかありません。これ以上食費を減らすと体力が落ちてしまいます」(関西・女性・60代・単身)

2017年12月26年に開催された「生活保護基準引き下げに反対します(緊急ホットライン)~私たちの声を聞いてください~」東京会場の様子。東京・さいたま・大阪の3会場で、弁護士・司法書士・社会福祉士などによるボランティア多数が、合計13回線への電話に対応した

 病気、ケガ、失職などの事態が「一大事」になるのは、単身でも家族がいても同様だ。特に単身者の場合は、自分が唯一の稼ぎ手なのに、しばしば病気やケガとともに仕事と収入を失ってしまう。働いていても非正規雇用の場合、失職に病気などが重なると、すぐに生活保護以外の選択肢を失うことが多い。

 もともと脆弱な基盤の上に生きてきた人々は、あまりにも容易に「最後のセーフティネットである生活保護しかない」という状況に陥ってしまう。保護基準を引き下げるということは、もともと最も傷つきやすい状況にあった人々を、さらに痛めつけるということだ。

都市部の生活保護基準は
本当に高すぎるのか?

 1月22日から開催される国会で、政府予算案が可決されると、2018年秋から生活保護費の生活費が引き下げられることになる。焦点の1つとなっているのは、「都市部の生活保護基準は高すぎるから引き下げる」という方向性だ。都市部の生活保護の暮らしは、「高すぎる」と言えるものなのだろうか。

 まず、東京都の20代男性の声を紹介する。本人が病気や障害を持っているわけではなく、周囲からは「働けるのに働かない若者」という見方をされているかもしれない。

「母と2人で生活保護を受けています。私が幼かったころ、母が統合失調症を発症しました。私は、母の介護のため働けません。前回、2013年に引き下げられる前は、おかずを毎日買うことができました。でも今は、時々です。電機製品が壊れても、買い替えできません。これ以上引き下げられたら、風呂の回数を減らすしかありません。引き下げには、イジメを受けているような、『働けない者はこんなものでいい』と言われているような気がします」(東京都・男性・20代・50代の母と2人暮らし)