物価面では原油価格の上昇が上振れ要因になるものの、これまでの足取りは鈍く、企業の価格設定行動にも明確な変化はみられていない。強弱材料が入り混じる中で、コアCPI見通しは現在の17年度同0.8%上昇、18年度同1.4%上昇、19年度同1.8%上昇(消費増税の影響除く)から大きな変化はない見込み。19年度ごろとしている2%程度の達成時期も維持する見通しだ。

 他方、各種の指標やアンケート調査を踏まえた予想物価上昇率は、下げ止まりが明確になりつつある。現在、「弱含みの局面が続いている」としている予想物価上昇率の修正も議論になる可能性がある。

 11月の全国コアCPIは同0.9%上昇と着実にプラス幅を拡大させているが、物価2%目標の実現には依然として距離がある。金融政策運営は現行の緩和策を継続することで、緩和効果とインフレ期待の強まりを促していく考えだ。

注目される政策調整議論の行方

 日銀が9日に超長期ゾーン(残存期間10年超)の国債買い入れ額を計200億円減額したことをきっかけに、外為市場では金融政策の正常化観測が浮上し、円高が進行する場面があった。

 減額はイールドカーブのゆがみの修正が目的で、金融市場調節に政策的な意図はないとのスタンスを日銀は示している。

 だが、グローバルなマーケットでは、世界的に景気拡大が続き、米欧中銀が金融政策の正常化に向けて歩を進める中、海外勢を中心に日銀の動向に注目が集まりやすい。

 昨年12月の金融政策決定会合の主な意見によると、一部の政策委員が経済・物価情勢の改善が続くと見込まれる場合には「金利水準の調整の要否を検討することが必要になる可能性もある」と、金利調整の可能性に言及した。

 会合における金利調整議論の広がりの有無や、その後の黒田東彦総裁の会見に市場の注目が集まりそうだ。

 また、貸出増加支援と成長基盤強化支援のための貸出支援制度について、1年間の延長を決める見通し。

(伊藤純夫 竹本能文 編集:田巻一彦)

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