ただ、「独禁法上、かなりいろいろなマーケットでぶつかって、1社単独で買収できないような案件を成就させるのは相当難易度が高い」と指摘。そのうえで「マーケットポートフォリオを拡充させていく方が、成功確率も高いし、時間も早い」とした。

 市場では、英たばこ大手のインペリアル・ブランズを買収するのではないかとして取り沙汰されることも多い。インペリアルの買収については「個別案件についてはノーコメント」とした。

 投資については「将来のリターンを考え、持続的な成長を考えると、シガレットだけではなく、新しいたばこ製品への投資も加速していかなければいけない。限られた投資能力をどこにかけていくかは、これからの我々の腕の見せ所」とした。

加熱式たばこの増税分の価格転嫁、紙巻きと同じとは言えず

 2018年度税制改正では、たばこ増税が決まった。紙巻きたばこは18年10月から4年で3回増税、加熱式たばこは18年10月から5年連続で増税となる。

 寺畠社長は「当然、消費に影響はあるが、複数年にわたって先の税が読めるようになったことで、手が打ちやすくなったとも言える。付加価値を上げて、コストを下げて、どのような価格戦略を取っていくかは、競合の動きを想定しながら対応していく」と述べた。

 紙巻きたばこでは「増税分は価格転嫁することを基本に考えている」とする一方、加熱式たばこについては「(紙巻きと)100%同じように動くかは、今、お答えできない。加熱式たばこは新しい仕組みになるため、どのレベルにしていくかは各社とも模索していくことになる」と述べた。

 加熱式たばこでは、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「アイコス」が先行している。フィリップ・モリスによると、アイコス(ヒートスティック)のたばこ市場でのシェアは、昨年10月1日時点で14.6%。昨年7―9月期は、フィリップモリスの日本での販売は紙巻きたばこをヒートスティックが初めて上回った。

 JTは、2018年上期から加熱式たばこ「プルーム・テック」の全国販売を開始する計画。現在は「供給能力を高めることが喫緊の課題」との認識で、生産体制の強化を進めている。また、ベネフィットを伝え、吸うことができる場所を増やすことなどに注力する。

 寺畠社長は、加熱式たばこが国内たばこ市場に占めるシェアは、昨年末の10%台後半から2020年には30%まで伸びるとの見通しを示した。

 寺畠氏は1月1日付で執行役員社長に就いた。1985年の民営化後、最年少の社長となる。3月の株主総会後の取締役会を経て代表取締役社長に就任する。

(清水律子 浦中大我)

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