株式レポート
1月19日 11時12分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

米銀大手行の2017年通期決算と当面の見通し:引き続き強気スタンス - 金融テーマ解説

● 米国の大手銀行の決算が出揃った。税制改革により3兆円に上る繰延税金関連の一時費用やボラティリティの低下でトレーディングが低調。与信費用も3Qは個人向け、4Qは大口先が増加した。しかしこれらは総じて一時要因で、本業収益は手数料や資金利益に支えられ順調だった。

● 結果、継続事業ベースの一株利益は、訴訟に揺れるウェルズファーゴが横ばいとなったほかは、5~20%上昇と比較的好調。今期以降も、利上げと好景気に支えられ、貸出・利ざやの拡大、M&A、富裕層取引等が増益をけん引しよう。

● BISの資本規制も決着し、米銀は資本比率も国際比較で高い。増益基調と自社株買いで、EPSは拡大傾向で、もう一段の株価押し上げが期待されよう。株価の上昇ピッチが早いため従来よりはやや控えめながら、米銀には強気のスタンスを維持。

米銀大手行2017年度通期決算

米大手6行(バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ゴールド・マンサックス、モルガン・スタンレー)の2017年度通期決算が出揃った。訴訟費用が積み増されたウェルズ・ファーゴを除き、営業利益は、前年同期比増益となった(図表1、2)。

収益の内訳をみると、景気拡大・金利上昇期の典型的なパターンとなっている。資金利益は、貸出ボリュームの増加と利ざやの復調で、資金利益が増加した(図表3,4)。モルガンスタンレーの富裕層向け取引や、ゴールドマンサックスのM&A仲介や引き受け業務などをはじめとする投資銀行業務も好調だった。さらに、好調の時に膨らみがちな経費も、何とか微増に留めるなど、総じて抑制された(図表5- ウェルズ・ファーゴの増加は訴訟関連)。

今期以降も、利上げと企業の投資意欲から、貸出のボリュームの拡大が期待されるとともに、利ざやの改善も見込まれる。順調な景気に支えられ、M&A、富裕層取引等が増益をけん引することがみこまれる。

一方、ネガティブな点は主に2つ。1点目は、4Qにある程度巻き返したものの、ボラティリティの低下や金利上昇(債券価格は下落)で、GS、JPなどでトレーディング収益がぱっとしなかった(図表6)。ただし、トレーディング収益は環境次第で大きくブレるので、今期に復調する可能性は十分ある。

2点目は、与信費用の増加(図表7)。ウェルズファーゴを除き、増加に転じた。3Qに、ハリケーンの影響に対する予防的な引き当てを計上したことに加え、4Qには大口先の費用がかさんだ。足元でクレジットカードローンの延滞が急増しており、自動車ローンの延滞も徐々に増加していることから、若干注意が必要とみられる(図表8)。

昨年末の税制改革の影響は米銀にも大きなプラスとなる。例えばJPモルガンは、35%程度の過年度の実効税率が20%前後まで低下すると予想される。これは単純計算では、同じ収益状況でも、税引き後利益は2割以上増加するということだ。

他の米銀についても、国内業務については同様の効果は見込めるが、シティグループのように海外収益比率の高いところよりは、ウェルズファーゴやJPモルガンなどの国内比率が高い金融機関の方が税制メリットが大きいとみられる。

昨年12月、BISでバーゼル3の資本規制厳格化の最終案が合意され、十数年ぶりに資本規制厳格化の流れが終結した。米銀は、日欧の金融機関に比べて資本比率が高いため、今回の規制厳格化でも相対的な悪影響は少ない。むしろ、規制の確定を受け、自社株買いを積み増すこともできるだろう。

好調な景気による投資銀行業務の拡大や、利上げの継続による運用利回りの増加に、国際資本規制厳格化の打ち止め感に伴う自社株買いが加われば、一株利益(EPS)は、現在の予想を上振れる可能性もある。米銀株価はEPSに比較的素直に連動していることから、株価は引き続き堅調に推移すると考える(図表9)。株価の上昇ピッチが早いため、従来比やや控えめながら、米銀には強気のスタンスを維持する。

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)

 ◆1月~12月までのお得な株主優待の内容はココでチェック!

※株主優待を新設・変更した銘柄の最新情報は
 株主優待【新設・変更・廃止】最新ニュース[2018年]でチェック!

マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!
株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!
Special topics pr

ZAiオンライン Pick Up
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2019年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2019年の最強クレジットカード(全7部門)を公開! ダイナースクラブカード」の全15券種の  付帯特典を調査して“実力”を検証 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは? 高いスペック&ステータスを徹底解説!アメリカン・エキスプレスおすすめ比較
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 じぶん銀行住宅ローンの金利が業界トップクラスの低金利!じぶん銀行住宅ローン https://diamond.jp/articles/-/120666?utm_source=z&utm_medium=rb&utm_campaign=id120666&utm_content=recCredit ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ! 株主優待名人・桐谷さんがおすすめする「株主優待」を大公開!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

億り人が教える
「株」入門
人気株の激辛診断

5月号3月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!お得な定期購読の詳細はコチラ!

 

【億り人が教える「株」入門】

230億円作ったcis先生が登場!
・「株っておもしろくて止められない! 」
株主優待株で成り上がる方法
元手
40万円2億円を稼いだまつのすけ先生
高配当株を狙うリスト作成法 
年600万円配当受け取る藤田先生
好業績株を楽々チャートで発掘 
1勝4敗でも達成したDUKE。先生
2年で2倍になる割安株の放置ワザ
・割安株で
資産7億円に到達した本田武先生
失速IPOの効率のいい拾い方
IPO投資2億5000万円を作ったJACK先生

買っていい10万円株は95銘柄!
買い:ソニー、ワークマン、メルカリ、など
ダメ:ヤフー、マツキヨ、ホンダ、など
・2019春/
人気株500の激辛診断! 

確定拠出年金のキホンがわかる資産づくりガイド
・まず公的年金を知ろう
・企業型DCってナニ?
iDeCoってやるべき?
・投資商品をサクサク理解! 
老後のお金以外に貯めておくべきお金

iDeCoで扱う投信201本の成績&コスト比べ
・口座管理手数料0円の9社を紹介!

【別冊付録】
全上場3715銘柄の最新理論株価

定期購読を申し込むと500円の図書カードをプレゼントキャンペーン開催中!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 山本潤の超成長株投資の真髄で、成長株投資をはじめよう!(ザイ投資戦略メルマガ) 新築マンションランキング