ベトナム 2018年2月13日

生活必需品としてのバイクに求める4つの条件ベトナムでバイクを買う【前編】

シート下の収納庫は大きくなくてはならない

 シート下の収納庫にこだわる理由はもう1つある。我が家にとってバイクはファミリーカーだ。妻と娘を連れて外出するときには、バイクに3人乗りである。
 
 スーパーの駐輪場などに停めるときは、ヘルメットを収納庫に入れる。今まで乗っていたバイクでは、頑張ってもヘルメットが2つしか入らない。私のヘルメットは外だ。
 
 それで盗難にあったことはないが、困るのが雨である。お店に入ったときは晴れていたのに、買い物中に雨が降り出してしまい、駐輪場に戻ったら、私のヘルメットが満々と水をたたえたバケツになっていた、という悲しい経験を何度もしている。だから「ヘルメットが3つ入る収納庫」は私にとっては重要なポイントだった。

 「シート下に大きな収納庫がある」のは、オートマティックギアのバイクである。価格はミッションギアのバイクのほうが安い。例えばホンダのウェイブアルファ(Wave α)というギア付きバイクの価格は1779万ドン(約8万6000円)~だ。しかしこのタイプだとシート下の収納庫には、ヘルメットが1つしか入らない。

 オートマティック車になると、ホンダの中でいちばん安いヴィジョン(Vision)で2999万ドン(約14万6000円)〜と2倍近くに跳ね上がる。私は、日本にいたとき中型のオフロードバイクに乗っていたこともあり、スクーターよりギア付きバイクのほうが好きだ。しかし収納庫の大きさを考えると、ギア付きバイクという選択肢はあり得なかった。

月給の20倍のバイクが売れる不思議

 3番目は「ステップがフラットであること」。バイクの大切な目的の一つは「荷物の運搬」である。共稼ぎである我々夫婦は、週末、スーパーに行ってまとめて買い物をすることが多い。そのためには、ハンドルと座席の間のステップは物が積みやすい、つまりフラットであることが必須となる。

 4番目は「明るい色であること」だ。理由は視認性を高めるためである。街路灯が少なく、無灯火で走るバイクが多いベトナムでは、「ぶつけられないように」という自衛努力が欠かせない。そのためには夜間でも目立つ色にしたかった。具体的には白色か銀色である。

 それらの条件を考慮して、最終的に選んだのは、ホンダのリード(125CCタイプ)という車種だった。色はシルバー。日本でも販売されており、ホンダのウェブサイトによると、希望小売価格は29万3760円。ベトナムでの小売価格は、3749万ドン(約17万9000円)だった。

 リードが魅力だったのは、収納庫が大きいこと。前述したヴィジョンだと、頑張ってもヘルメットは2つしか入らないが、リードは余裕で3つ入る。リードはヴィジョンよりも700万ドン(約3万4000円)ほど高いが、「ヘルメットが3つ入る収納庫」という条件を満たすためには必要な投資と割り切った。

 値段を見るとリードは、中間くらいの位置付けだ。高級バイクとして人気のホンダSHは125CCタイプで6699万ドン(約31万9000円)、150CCタイプだと8099万ドン(約38万6000円)にもなる。統計上の平均月収が2万円少々のこの国で、2年分の年収に近いバイクが売れているのは、いつ見ても不思議でならない。

これ程度の荷物を運ぶバイクを見かけることは、まったく珍しくない。ベトナムの荷物を運ぶバイクの写真ばかりを集めた『Bikes of Burden』という写真集があり、日本でも『それ行け!! 珍バイク』という書名で出版されている【撮影/中安昭人】
【撮影/中安昭人】

海外投資必勝マニュアル&本

海外投資のノウハウが凝縮! ここで紹介しているコンテンツ、書籍はすべて、ネットから購入が可能です。さらに「海外投資実践マニュアル」は「海外投資を楽しむ会」の会員になれば割引価格で購入可能です。

作家・橘玲のディープなメルマガ
発売即重版決定! 橘玲の最新刊【幸福の「資本」論】発売!
橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
橘玲×ZAiONLINE海外投資の歩き方
作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
subcolumn下影

ページのトップに戻る

本WEBサイトに掲載している全ての記事およびデータについて、その情報源の正確性・確実性・適時性を保証したものではありません。本サイトの提供情報を利用することで被った被害について、当社および情報提供元は一切の責任を負いませ ん。万一、本サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社および情報提供元は一切責任を負いません。本サイトからアクセス可能な、第三者が運営するサイトのアドレスおよび掲載内容の正確性についても保証するものではなく、このような第三者サイトの利用による損害について、当社は一切責任を負いません。また、併せて下段の「プライバシーポリシー・著作権」もご確認ください。