低成長の原因は
人口の減少につきる

 実質GDP成長率が、「労働生産性上昇率+労働者増加率」として表わされることは自明の通りだが、わが国では2000年代に入って労働者増加率がマイナスに転じている。加えて、90年代以降は労働生産性上昇率も鈍化傾向が明らかである。前者は少子高齢化の影響によるものであり、後者は先進技術やテクノロジーの吸収がほぼ完了したことが主因であろう(つまり、もうわが国には世界から模倣すべき先例がなくなったと言うことである)。

 人口増も、新しいわが国独自の技術開発にも相応の時間を要するので、2010年代も、特に前半は、低成長という基調は大きくは変わるまい。ただし、産業構造的に考えれば、国際競争力があり、相対的に生産性の高い製造業はグローバル化して海外に出ていくので、国内に残るのは第1次産業と第3次産業が中心となろう。

 これを悲観的に見るか、楽観的に見るかだが、私見では生産性の低い第1次産業や第3次産業がわが国に大量に残されていることは、見方を変えれば飛躍のチャンスでもあろう。非効率な産業を市場が淘汰していけば、自ずと生産性の向上が図れるのであるから、2010年代のわが国の経済成長は第1次産業と第3次産業の活性化(構造改革)が大きなカギを握っているのではないか。

 そして、たとえば、わが国の農産物の品質の高さやサービスのきめ細かさを考慮すれば、規制やマネジメントの壁はあるかもしれないが、わが国の第1次産業や第3次産業の競争力は、決して他国に劣後するものではないと考える。