さて、「NSXコンセプト」お披露目会見の終了間際、場内に二度目のどよめきが起こった。それは、同車の「製造地」の発表の時だ。3年以内(=2015年まで)に量産を目指し、研究開発をアメリカ中心に行う。さらに、製造は「オハイオ工場で一貫して行う」(伊東社長)とアナウンスした瞬間、場内にどよめきと拍手が同時に起こったのだ。

 筆者自身も「オハイオ工場での一貫生産」を耳にした瞬間、「まさか、そんな手を使うとは!?」と、驚いた。そして「オハイオ工場での一貫生産」という言葉に、アメリカ人たちが大いに喜んだことに、筆者はかなり驚いた。会見後、あるホンダ関係者がこう漏らした。

「きょうの会見で、オハイオ生産することを発表するかどうかで社内議論があった。だが、会見での大きな反応で見られたように、その発表は正しかったと思う」。ホンダが世界企業としての基盤を築いてきたアメリカの地で、しかもアメリカ自動車産業の中心地デトロイトで、再起を図るために、アメリカ発・世界市場向けの真のスポーツカーを本気で作り上げることを宣言することが重要だったのだ。

震災とタイ洪水のせいだけなのか?
北米でのホンダ、トヨタ不調の原因

 最近、日本の新聞や経済誌などで「ホンダに元気がない」という主旨の記事をよく見かける。その内容は、経営手法、財務管理、そして商品性など様々な観点からホンダを検証したものだ。

 確かに、2011年の北米市場販売データを見れば、ホンダは元気がないように見える。米国オートデータ調べでは、2011年の北米自動車販売総数は1277万8171台(前年比10.3%増)。メーカー別では、ホンダとトヨタが前年割れ。ホンダの販売台数は114万7285台(前年比6.8%減)、トヨタが164万4661台(同6.7%減)だ。

 他の日系は、日産の同14.7%増など前年より伸びた。また、リーマンショック後に、それまでの「ビッグ3」から「デトロイト3」と呼ばれるようになった米3社は好調だ。GMが250万3797台(同13.2%増)、フォードが214万3101台(11.0%増)、クライスラーは134万9345台(24.3%増)とした。