その変化とは、「消費者は他との違いを求めている」だという。つまり、近年の北米市場では「安心できる安全パイ」としてシェアを拡大してきたホンダ、トヨタに対しての「違い」だ。フォードはその「違い」を、「フュージョン」では3つ挙げた。それは、燃費、デザイン、そしてテレマティクスだ。

北米市場のデザイントレンドは
ヨーロピアンテイストへ

 アメリカでの燃費とは、いわゆるカタログ燃費値であるEPAのMPG(Mile per Gallon、1ガロン〈3.785リッター〉あたりの走行マイル数)だ。その数値を上げるため、新型「フュージョン」では、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車を投入。ガソリン車では2.5リッター、2.0リッターターボに加えて、このモデルクラスでは異例と言える小型エンジンの1.6リッターターボを投入する。

 デザイン面では、以前フォードグループの一員だった、英国のジャガーをイメージさせるような欧州製高級車っぽい雰囲気に一新された。そして、2007年からマイクロソフトと連携して開発してきたテレマティクス(情報通信機器)のSYNC、さらにその操作システムの「MY Ford タッチ」の機能を充実された。

 こうした中大型車への小型ガソリンターボエンジン搭載という手法は今後、北米市場でのトレンドになりそうだ。アメリカンホンダの岩村哲夫社長も「(2020年までの)CAFE(企業平均燃費)を考えると、弊社でも今後、(壇上のアコードを見ながら)こうしたクルマでも小型ターボエンジンの搭載は検討せざるを得ないだろう」と語る。

 また、ホンダのデザイン関係幹部は「今回のショーでは、フュージョンを筆頭に、米系各社がヨーロピアンなデザインテイストをハッキリ示していた。これが今後、北米市場でのトレンドになるのではないか」という(テレマティクスの北米動向については、本連載の次回で取り上げる)。

 以上のように、ホンダが近年トヨタの商品を意識し過ぎたことで、北米市場での商品性の観点では、消費者がホンダにコンサバなイメージを持つようになった。そのことを、日米のホンダ幹部は認識している。