ヴィーニャ・コノスル
Vina Cono sur

自転車マークの裏側の「リアル」

(左)懐かしくもあり見たこともない風景でもあり。自転車で回る畑はなんだかセンチメンタルでもあった。(右)自転車というオーガニックの象徴を誇りとしてチームが共有する

 おそらくコノスルのラベルに描かれた自転車のマークは、世界中のワインの中でも、もっとも有名なシンボルの一つに数えられるだろう。日本でもコンビニやスーパー、大手酒販チェーン店などでもよく見かける。というわけで日本におけるチリを代表するワインであるのだが、それだけにチリワインの固定化されたイメージの中で、大量生産ワインというレッテルで見られがちではある。

 しかし、実際のコノスルは、チリを代表するオーガニックスタイルの実践により生み出される。チーフワインメイカーのアドルフォさんは、広大なワイナリーを実際に自転車に乗って案内してくれた。

(左)プレミアムラインである『オシオ ピノ・ノワール』とアドルフォさん。ブルゴーニュ的エレガンスとウェストコースト的濃厚さが静かに溶け合う。チリを代表するピノ・ノワールだ。(右)ハーブ栽培も丁寧に。植物の多様性は、どのワイナリーも重要と考えていた

 ソーヴィニヨン・ブランの畑、ピノ・ノワールの小路で、自転車を走らせる。所々で止まって情熱的に自然への感謝、この土地の力を語る。雨上がりのダートは悪路で何度か車輪を取られたが、それもまた楽しい。歩くのでも車でもない心地よい風を感じながら畑の香りを思う存分吸い込めば気づく。

 自転車は、丁寧に丁寧にこの土地の恵みをワインとして世界に送り出す、リアルな道具であり、その想いの象徴なのだと。今や、日本のどこででも見ることができる自転車マークのワイン。その裏側にある物語。

 チリのワインを飲むのではなく、チリで生まれたワインを味わおう。アドルフォさんの笑顔を見習って、満面の笑みで。