サンタクルス
Vina Santa Cruz

物語まで楽しむ「テーマパーク」

(左)ロープウェイがあるワイナリー。ここからのパノラマビューは圧巻。(右)イースター島の名所である「タハイ儀式村」と同じタイプのモアイ。青空に映える

 ワインからのスタートではなく、まずチリの歴史を現代まで辿る博物館を設立。その後その博物館にホテルを併設。この成功からワイナリーを設立したというサンタクルス。

 はじめからレジャーとワインツーリズムを一体として捉えていて、そのバックボーンに「チリの歴史と文化を伝えたい」という想いがあり、それがよく伝わってくる。

(左)イースター島の神話に登場する人類創造と豊穣の神「マケマケ」を冠したワインは、集中力のち開放感。(右)サンタクルス家のスピリットを朗らかに語る現当主のエミリオさん。

 ホテルと博物館からほど近いコルチャグワヴァレーに広がるワイナリーは、入った瞬間からわくわくする仕掛け。ショップ&テイスティングルームから見る見事なパノラマ。そこから丘の上へはロープウェイで。

 その丘には、彼らが一つのルーツと考える南太平洋の古代文化、生活様式を忍ばせる野外モニュメントや博物館があり、ラマが出迎えてくれる素朴なおもてなしの一方で天文台まである。

 ただのレジャー施設ではないことは、彼らのワインに現れる。いにしえの司祭であるチャーマン(シャーマン)、イースター島の伝承に残るマケマケ神といった名をワインに冠し、神々や古代文化の精神性と繋がることで改めてこの地へのリスペクトを表明する。

 親しみやすく、しかし、がぶ飲みではなく、微笑みながらじっくりと飲みたくなる。時には陽気に笑いあう。その時、目を閉じれば、古代文化の祝祭の中に楽しく迷い込んだ錯覚。これがまた幸せなもう一杯を呼ぶのだ。