政策立案に対する政治家の関与が減り、官僚支配が強まる「政治の死」を防ぐには、安易に議員定数を削減すべきではない。むしろ国会議員の数を増やし、1つ1つの法案への与野党双方からのチェック機能を高めるべきなのだ。

国会議員の歳費は高いのか:
国際比較で考える

 岡田克也副総理が消費税増税のために「身を切る」方策の1つとして、議員定数削減に加えて「国会議員の歳費8%以上削減」を提唱している。果たして日本の国会議員の歳費(給与)は高いのだろうか。

 単純に金額を比較すれば、日本の議員歳費(1人年間2200万円)は、英国(1人年間970万円)など他の先進国の中で最も高い。但し、日本では歳費の多くが議員活動費となっている。歳費から政治家個人の政治団体に対して寄付されるという形で、私設秘書の給与、事務所費などの経費として使われているのだ。実態として、裕福な世襲議員などを除けば、多くの議員が個人の生活費として使える金額は、一般サラリーマン並みでしかない。

 また、日本では「中選挙区制」により政策よりも利益誘導が重視される選挙が行われてきた歴史経緯から、国会議員の活動の多くが地元で行われている。地元活動とは、個人後援会、支援団体、その他各種団体、地方自治体、地方議会議員などとの連絡や要望等の吸い上げ、中央官庁への陳情の媒介、選挙民の国会見学や東京見物のツアーコンダクター、冠婚葬祭への出席等であり、経費の大部分がそれらに費やされる。

 このような活動は米国議員活動に似ている。だが、米国では下院議員に対して、歳費以外に年間1億円以上の職務手当が別途支給されており、多くのスタッフを雇用して対応することができる。一方、日本の議員が地元対応に使える経費は、米国より少なく明らかに中途半端な金額だ。そして、日本では地元での活動経費が足りないことから、「政治とカネ」の問題が頻発してきた。