本当に立ち戻れる何かが
あるか無いかで全然違う

――JALの「意識改革」で、教典的な役割を果たしているのが、「JALフィロソフィ手帳」である。このJALフィロソフィは稲盛の経営哲学を引き継ぎながらも、JAL自身の手で作り上げられた。大西がリーダー研修を受けた人の中から、約10人を指名して、10年の8月からフィロソフィづくりに着手し、12月に完成した。会社更生法の申請から丸1年たった昨年の1月19日に、新たな企業理念、JALフィロソフィ、ロゴとしての「鶴丸」の復活が、社内に向けて発表された。

大西 稲盛会長からも言われましたが、フィロソフィは自分たちで作らないとそれは意味が無い、と。

 フィロソフィづくりに当たった社員は、おそらくその期間、もう全く土日も無かったと思います。毎日毎日出てきて、「ああでもない、こうでもない」と議論しながら作ってくれた。JALフィロソフィには、特別なことが書いてあるわけでは全くないんです。だけれども、こうやって手帳を作って、スッとみんながその場で、「どういうことだっけな?」と読み返すことが出来る、そこに立ち戻れるものが存在する。そういう本当に立ち戻れる何かがあるか無いかで全然違う。共通言語というか、まず「そこから考えをスタートしようよ」ということができる。

 稲盛会長にも、最初から、みなが同じ思いで会話できるということ、会社にいる一人一人の意識や考え方、価値観というものが、ある程度そろった所からスタートすることが大切だと、言われていたので、会社更生法適用申請後には、まずは更生計画を立案しなくてはなりませんでしたが、それを終えてからすぐに着手したのがこれだったんです。