モノ言う株主対策の見方も

 就任会見では、綱川智社長兼COO(最高執行責任者)が「二人三脚で東芝の経営に当たる」と説明。車谷CEOが中長期の事業戦略を、綱川COOが業務執行を担当するという。

 ただ、取引銀行役員からは、車谷氏起用の狙いについて「モノ言う株主対策ではないか」との声も出る。6000億円の増資で2期連続の債務超過を解消させる東芝だが、その代わりに「モノ言う株主」という火種も抱え込んだ。

 引受先の投資家には、エフィッシモ、エリオット、サード・ポイントなどアクティビストと呼ばれる海外大手ヘッジファンドが並ぶ。実際に、香港のアクティビスト・ファンドは同社の半導体子会社売却に異議を申し立てている。

 先の役員は「今後、株主対策が重要となる中、車谷氏の金融マーケットに対する知見や人脈が必要とされているのではないか」と話す。

 もちろん、期待されるのはそれだけではない。半導体売却と増資で最大の危機を脱しつつあるように見える東芝だが、再建の道のりは長い。「(東芝を)グローバル競争の土俵に復帰させる」と語った車谷氏。メガバンク中枢で磨いた手腕をどのように発揮していくのか、注目される。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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