国債保有額は総資産の85%

 その結果、緩和のために購入してきた国債の保有額は、2月10日時点で日銀の総資産の85%を占める449兆円にまで膨らんだ。長短金利操作を導入して以降、それまで年間80兆円だった国債購入のペースは落ちている。目標を量から金利としたことで、量を縮小させつつあるとの見方もあるとはいえ、それでも17年の購入額は60兆円だ。年間購入額6兆円が目標のETFの保有額も同17兆8058億円に上る。

 いずれは、FRB(米連邦準備制度理事会)が進めてきたように国債やETFの購入を減らし、財務体質悪化を抑制していく出口戦略を取る必要がある。しかし、黒田総裁の次の任期5年の間に出口戦略に踏み出す可能性は低い。

 続投となった以上、安定的に物価上昇率の実績値が2%を超えるまでマネタリーベースの拡大を続ける、オーバーシュート型コミットメントという現在の方針を変更するとは考えにくい。

 それ故、19年度に2%が達成できたとしても、すぐに出口戦略とはならないだろう。まだ固まっていない次期副総裁についても、安倍首相が、これまでの大規模な金融緩和の流れを受け継ぐ人物を指名するとみられる。

 今年9月の自民党総裁選での安倍首相の3選の公算は大きい。となれば、21年9月まで首相の座にいることになる。現在の日銀審議委員6人中4人は首相の在任中に交代する。金融緩和からの出口戦略を取るよう主張する人物が委員に指名されるとは考えにくい。これまで安倍政権は、原田泰氏、片岡剛士氏などリフレ派の論客を指名してきた。リフレ派の多くは、量的緩和をさらに拡大することを主張こそすれ、縮小すべきではないとしている。

 出口戦略への道は遠のくばかりである。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋)