2月15日、1989年、22歳の韓国女子大学生が北朝鮮に潜り込んで半島の統一を訴え、当時の金日成主席と面会する映像は、韓国で一大騒動を巻き起こした。写真は北朝鮮の金与正氏(右)を出迎える韓国の任鍾晳大統領秘書室長。ソウルのホテルで11日撮影。韓国大統領府提供(2018年 ロイター/Yonhap)

[ソウル 15日 ロイター] - 1989年、22歳の韓国女子大学生が北朝鮮に潜り込んで半島の統一を訴え、当時の金日成主席と面会する映像は、韓国で一大騒動を巻き起こした。

 韓国政府の許可なしで行われたこの訪朝を演出したのは、著名な学生民主運動家で、今では文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の秘書室長を務める任鍾晳(イム・ジョンソク)氏だ。

 30年近くを経て、現在51歳の任氏は平昌冬季五輪を舞台とした韓国と北朝鮮のデタント(緊張緩和)で中心的な役割を果たしていると、政府関係者や専門家は指摘する。

 リベラルな文大統領は、10年近く続いた韓国の保守政権や、北朝鮮の核・ミサイル開発加速によって悪化した南北関係の再構築に向けて、任氏のほか数人の重要プレーヤーを頼みにしているという。

 だが韓国内の懐疑派にとって、任氏は、米国との緊密な同盟関係よりも、南北再接近を優先しているのではないかという懸念の中心にいる人物だ。すでに、冬季五輪が北朝鮮プロパガンダの道具に利用されていると、彼らは心配している。

特使か

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が先週、サプライズで文大統領の訪朝を要請したことを受け、この提案を協議するための北朝鮮特使として、任氏の名前が取りざたされている。