2月15日、ベネズエラで発生したデジタル時代初のハイパーインフレは、過酷なビジネス環境の中で意外な「勝者」を生んでいる。写真は、決済アプリで支払うための情報を提示する野菜や果物を売る店。首都カラカスのマーケットで1月撮影(2018年 ロイター/Marco Bello)

[カラカス 15日 ロイター] - ベネズエラ首都カラカスにある駐車場で、ビーダーベン・ビレガスさん(35)は兄弟と一緒に、毎日約30台の車を洗っている。

 洗車代は50セント(約50円)にも満たないが、誰もキャッシュで支払おうとはしないという。

 サンフランシスコから東京に至るまで、世界のテクノロジー拠点では、スマートフォンやスマートウオッチでの支払いは当たり前になっている。深刻な経済危機に見舞われているベネズエラでも、同様のイノベーションが起きている。

 だがそれは、全く異なる理由からだ。

 物価高騰により供給不足となっているキャッシュ(紙幣)を十分に持たない顧客を呼び込もうと、野菜売りからタクシー運転手まで多くの人がモバイル決済アプリに登録している。

 ベネズエラ国民が1日に現金自動預払機(ATM)から引き出せる金額は最大1万ボリバル(約40円)程度だが、闇市場の為替レートでは約4セントの価値にしかならない。

 ベネズエラで発生したデジタル時代初のハイパーインフレは、過酷なビジネス環境の中で意外な「勝者」を生んでいる。それは、危機に見舞われる同国で成長する小規模なテクノロジー企業だ。