飛騨牛カレー軒並み値上げの裏に外国人観光客誘致の弊害

飛騨牛レトルトカレーが軒並み値上げ

 昨年、岐阜県への出張の帰途に、売店でレトルトの「飛騨牛カレー」を買った。厚切りの飛騨牛が5枚も横たわっている画像のパッケージ、1箱670円に期待は高まる。帰宅後、温めて食べようと開封すると、中から出てきたのは、小指の先にも満たない5つの小さなカケラだった。

 さすがにショックで、販売元に「誇大表示では」と電話をした。すると、飛騨地方の販売元は「調理の過程で肉がとけてしまった可能性がある」と言う。「もも肉を使えればいくらかマシだが」と言いつつ、内情をこう明かした。

「飛騨牛の価格はここ数年右肩上がりが続いており、採算面でとても厳しい状況なのです」

 調べてみると、飛騨牛のレトルトカレーの価格は、上昇を続けていたことが分かった。売店も「2017年に入り、さらにレトルトカレーの価格が上昇した」と驚くほどだ。8種類近くある商品の中には、過去5年で600円から900円に上がったものもある。