正田連載
傷を我慢すれば中古が約3000円で買える「Aterm MR03LN」とCA対応で比較的安い「HW-02G」

 モバイルルーターのレンタルと言えば海外旅行はもちろん、国内向けでも需要はある。

 たとえば普段は外での通信回線の必要のない人が出張したり、転居時の一時的な利用、入院、屋外でのイベントなど。

 最近では学生がパケットを使いすぎてしまい、月末までの通信を速くするために容量追加よりも割安なモバイルルーターを用意するというケースもあると聞く。

 公衆Wi-Fiサービスをうまく利用すればそれでしのげることもあるが、Wi-Fiのサービスは無料有料を問わず通信品質はまちまちで、非常に快適なところとそうでないところがある。

 セキュリティーの不安は暗号化通信の普及であまり問題なくなったとはいえ、公衆Wi-Fiよりも、確実性を求めるなら自前のモバイルルーターを用意したいという状況だ。

 そこで、何も機器を持っていない場合はレンタルサービス利用と考えるのだが、使い方によっては格安SIMのほうがお得かつ気軽に使える利用パターンがある。

 たとえばレンタルの場合、1ヵ月、データ容量無制限または大容量タイプの料金相場は5000円程度。一方、格安SIMならば1ヵ月分の通信料とモバイルルーターの中古を購入しても5000円を下回ることもあるのだ。

格安SIMでモバイルルーターの回線を用意する最低費用は
4000円くらいから

 最初に格安SIMでのモバイルルーター利用の費用を考えてみよう。モバイルルーター機器がなければはじまらないが、中古、それも保証のある中古を主要中古店で購入する場合、最低で3000円程度から手に入れられる。

「Aterm MR03LN」
中古市場で手に入る「Aterm MR03LN」

 2018年2月現在、3000円で買えるモバイルルーターはNECプラットフォームズの「Aterm MR03LN」やドコモが販売したLGの「L-09C」「L-04D」など。

 どちらも傷が多いなど状態ランクは下になるが、店を選べば1ヵ月程度の保証が付くこともあり、実利用には問題ないことが多い。

 問題となりそうなのはバッテリーの劣化だが、モバイルルーターはバッテリーが取り外しできる機種が一般的で、ドコモブランド機なら純正バッテリーでも1000円台で入手できる。

 Aterm MR03LNは2014年発売だが、ドコモのネットワーク向けで周波数も4バンド対応と性能的に今でもまったく問題なく利用できる。

 CA(キャリアアグリゲーション)は非対応なため、後継でau網にも対応した「MR04LN」よりもぐっと安い中古相場だが、CA対応だったとしても速度面で格安SIMにはあまり関係ないためデメリットにはならない。

 どうしてもCA対応ということなら、もう少しお金を足して4000~5000円ほど出せばドコモブランドの「HW-02G」(ファーウェイ)も中古購入できる。動作保証がなければネットオークションではもう少し安く取引されている。

 回線の格安SIMは通常は加入時に3240円とSIM代の400円程度がかかるが、特価で売られることの多い加入パックを購入したり、加入費用を割り引くキャンペーンなどで3240円を限りなくゼロに近づけることができる。

 また、友人知人から加入することでキャッシュバックやギフト券をもらえるキャンペーンをうまく活用すれば、さらに実質的な加入コストを下げることもできる。

 そして、次にデータ通信料金となるが、1ヵ月3GBで974円(消費税、ユニバーサルサービス料込)が主要格安SIMの相場となる。データ回線の場合は最低利用期間はないところがほとんどなので、使い終わったらすぐ解約すれば、費用も最小限。1ヵ月なら約1000円で済む。

 これらを合計すると、モバイルルーター調達に約3000円、初期費用はほぼゼロ、1ヵ月の通信料金は約1000円。合計で4000円になる。

 さらに、レンタルと違って端末は手元に残るため、再度使うときは回線費用だけで済むことや、売却すればトータルの出費はさらに下げられる。

短期の利用では初月無料の格安SIMが有利になってくることも

 データ通信回線の相場は1ヵ月3GBで約1000円だが、実際の料金は事業者によって前後するほか、短期の利用では最初と最後の料金計算方法で大きな差が出てくる。

 「OCN モバイル ONE」は3GBの月額料金がほかより高く月額1190円となっているが、初月無料のため、月初から翌月末までの最大2ヵ月間使っても1190円で済む。

 さらに初月無料を活かして、最初は6GBや10GBといった大容量のプランで加入し、たくさん容量を使うこともできる。ちなみに、初月のうちに解約した場合は初月無料の特典はない。

 一方、「IIJmio」は加入翌月末が最低利用期間となっているため、加入してすぐ解約しても翌月末解約となってしまう。

 しかも、加入月に無料期間はなく日割り計算となるため、ある月の1日に開通させて翌月末まで使った場合は2ヵ月分がしっかりかかり、月間3GBのプランなら合計で1948円かかってしまう。

 初月無料の格安SIMはこのほかにも「LINEモバイル」や「NifMo」などがある。「楽天モバイル」は初月無料のキャンペーンが継続されてきたが、組み合わせプランのデータSIMの初月無料は2018年1月19日から店頭申込のみに変更となってしまったので注意してほしい。

 IIJmioのほか「mineo」「イオンモバイル」「DMMモバイル」などは最初から日割りで計算される。

 解約時は日割り計算されないか月末付の解約となる格安SIMがほとんどだが、mineoは解約時も日割になる。最終月は大容量プランにして月初に大量に使っても日割りで安くおさめることも可能だ。

 なお、mineoでは音声通話付き回線加入者に6ヵ月間に渡って月額900円を割引くキャンペーンが2018年5月8日まで行なわれている。

 mineoは音声通話付きの回線でも短期解約の違約金はないため、6ヵ月以内ならデータのみの回線よりも音声通話付き回線のほうが安くなる逆転現象が起こっている。こういったキャンペーンを利用するのもコストを抑える手だ。

回線の質や支払い方法でレンタルサービスが有利

 レンタルサービスがお得な場合ももちろんある。

 そもそも、格安SIMはクレジットカードがなければ利用できない場合がほとんどだが、レンタルサービスは現金支払いが可能。その手軽さが最大の特徴とも言える。

 その上で、たとえば1日や2日といった超短期の利用。1日や2日のレンタルの場合は割高な料金が設定されていることが多いが、それでも1日1000円を超えることはない。

 そして、大容量が必要な場合にもレンタルサービスが有利になることもある。格安SIMは3GBで約1000円だが、30GBとなると5000円オーバーとなる。

 レンタルサービスの中には月間50GB制限というところもあり、動画配信や受信に使うというのであればレンタルサービスが有利になる。

 逆に、あまり容量を使わないという場合、7GBとか5GBの容量制限付きであれば3000円以下で借りられるモバイルルーターがある。最安で短期間の通信環境を確保したいというなら、低価格なレンタルモバイルルーターを選んだほうがいいかもしれない。

 通信品質の面でも、格安SIMが不得意な時間帯ではY!mobileやUQ mobileのWiMAXを使っているモバイルルーターが有利なことがある。逆に言えば、通信品質を求めてモバイルルーターをレンタルするのであれば、Y!mobileやUQ mobileのルーターを選んだ方がいいだろう。

短期利用にも活用できる格安SIM

 レンタルルーターは、低価格で短期間に大量の通信を行ないたい、格安で短期間の通信手段を確保したい、という場合に重宝する。そして、格安SIM+格安モバイルルーターはいちいちルーターをレンタルする手間と費用を抑えたい場合の選択肢になる。

 ヘビーに使ったり、大容量を求めたり、安定した通信速度を得たいならレンタルサービスがいい選択肢だが、使用容量が多くなく、1ヵ月程度と長めに使うなら格安SIMを活用したほうが有利となる。頻繁に短期間、国内出張を繰り返す人なら、格安SIMを使うメリットはありそうだ。

 終了期限を決めていなかったり、返却期限に追われるというわずらわしさがないのも格安SIMと自分で購入したモバイルルーターの組み合わせ。

 最近では音声通話付き契約に注目が集まりがちな格安SIMだが、気軽に利用できるデータ回線としての格安SIMもまだまだ健在だ。加入も解約も簡単にできる格安SIMを、短期利用にもぜひ検討してほしい。