2月23日、国民が日々の生活のなかで物価上昇を実感する一方で、日銀の「物価の眼鏡」で見た世界ではインフレが沈静化しているが、物価の眼鏡を取り換えれば、リアルなインフレの姿が見えてくる。写真は八百屋で買物をする女性。2016年1月に東京で撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 23日 ロイター] - 国民が日々の生活のなかで物価上昇を実感する一方で、日銀の「物価の眼鏡」で見た世界ではインフレが沈静化している。このため、今年も異次元緩和が継続される見込みが高いが、物価の眼鏡を取り換えれば、リアルなインフレの姿が見えてくる。

日銀の「コア眼鏡」と国民の実感にズレ

 総務省がきょう公表した1月の全国消費者物価指数(CPI)では、日銀がインフレ判断のベンチマークとする「生鮮食品を除く総合指数、コアCPI」が前年同月比0.9%上昇。生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は前年同月比0.4%上昇と、引き続き物価が低迷していることを示された。

 しかし、日銀がコアCPIという「物価の眼鏡」を外せば、世界は変わってみえる。

 国民の生活実感により近いとされ、厚生労働省が実質消費や実質賃金の計算に用いる「持ち家の帰属家賃を除く総合指数」では、全国ベースで1月に前年同月比1.7%の上昇だった。昨年12月は同1.3%上昇、11月は0.7%の上昇だった。

 東京都区部の確報値では、1月が前年同月比1.7%上昇と、12月の同1.3%上昇、11月の同0.4%上昇から、こちらも上昇ピッチが速まっている。

 持ち家の帰属家賃とは、実際には家賃の受け払いを伴わない住宅等について、通常の借家と同様のサービスが生産・消費されるものとみなして、それを市場価格で評価した帰属計算上の家賃をいう。

 寄与度でみると、こうした持ち家世帯の架空家賃が1月の総合指数(前年同月比1.4%上昇)から0.3%ポイントも統計上のインフレを「押し下げ」ていることになる。

 日銀がインフレのベンチマークとするコアCPIと、消費者が直面する現実の物価上昇率1.7%の間には、0.8%ポイントもの格差があり、この格差は生鮮食品の大幅な価格上昇と、実体のない持ち家世帯の家賃の下落が統計上、物価を押し下げていることから生じている。