日産が中国で目指す「EVのNo.1ブランド」の現実味Photo:NISSAN

日産自動車は中国で2022年までに20車種以上の電動車両を発売し、中国におけるEV(電気自動車)のナンバーワンブランドを目指すという計画を打ち出している。とはいえ、それは決して容易なことではない。いったい、どんなハードルがあるのだろうか。(ジャーナリスト 井元康一郎)

中国でEVナンバーワンブランドを目指す
日産自動車

 2月5日、2022年に中国での新車販売台数を17年比109万台増の260万台に引き上げ、そのうち3割を電動車両にするという事業計画を公表した日産自動車。自動運転、コネクテッドと並ぶ自動車業界の技術革新競争の中核である電動化のプランが含まれている上、投資額が日本円で1兆円に達するということもあって、注目を浴びた。

 計画のあらましはこうだ。中期的に目指すのは中国におけるEV(電気自動車)ナンバーワンのブランドになることで、日産、高級車のインフィニティ、低価格車のヴェヌーシア、合弁相手の東風汽車の4ブランド合計で2022年までに20車種以上の電動車両を発売する。

 日産のいう電動車両には「Zero Emission(排出ガスゼロ)」をうたうEVと、燃費低減のためのハイブリッド「e-Power」の2つがあるが、事実上のEV販売義務となるNEV(新エネルギー車)法をクリアすべく、EVについても相当台数を売りに出てくるものとみられる。

 手始めに2018年に日産ブランドからファミリークラスの乗用車「リーフ」ともう1モデル、東風汽車から1モデル、翌2019年にはヴェヌーシアから3モデルと、来年末までに6モデルのEVを投入する予定だ。

 インフィニティについての計画もラディカルで、2017年にはエンジン車のみであったのを2022年には25%を、2025年には100%、EVとハイブリッドにするという。