このサービスを行っているのが、ハンディ・ジャパン。ハンディは香港のベンチャー企業、ティンク・ラボが2012年に立ち上げたもので、台湾の鴻海精密工業グループがこの会社に出資し世界展開を始めたことで、鴻海の傘下に入ったシャープにもチャンスが巡ってきた。シャープも14%(30億円)を出資するかたちで、合弁会社ハンディ・ジャパンが設立され、17年7月からサービスが始まった。シャープとしては、スマホの供給もさることながら、ハンディ・ジャパンの将来の上場も視野に入れているもようだ。

スマホ盗難リスクも少ない

 気になるのは、ハンディ・ジャパンのビジネスモデルだが、1台当たり月額980円のレンタル料金と広告収入で収益を稼いでいる。東京ディズニーランドなどのチケット販売による手数料ビジネスも展開する計画がある。ホテルの他、旅館や観光案内所などさらなる拡大を検討している。

 そして、「国際電話では米国や中国などの回線をバルク(大量)買いしており、宿泊客から料金を頂かなくても採算が取れている」(野本歩・ハンディ・ジャパン・チーフマーケティング・オフィサー)という。盗難の問題もさほど深刻ではなく、先行する香港でも3%弱。宿泊客の名前や住所などを把握している上、GPS(全地球測位システム)でスマホの位置情報検索ができるからだ。

 東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人の増加が予測される中、シャープがホテル業界で先行者利益を収める可能性もある。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)