不動産を高値で売却する方法[2019年]
2018年3月19日公開(2018年11月6日更新)
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ザイ・オンライン編集部

「タワマン節税」は相続税対策としてまだ使える!?
売却と購入のタイミングに注意して活用を!

相続税評価額が低くなるタワーマンションの特徴を生かした相続税の節税策、「タワマン節税」。国は評価額を変え、「タワマン節税」を封じ込めようと必死だが、まだ使い勝手はある。ただし、税務署から否認されないよう、購入と売却のタイミングに注意したい。

1億円のタワマンが2000万~3000万円の評価に

 相続税の節税のため、タワーマンションの高層階(住戸単位)を購入し、賃貸にまわす「タワマン節税」。2012年頃から、アベノミクスにより都心の家やマンションなど不動産価格が上昇しはじめ、富裕層の間で注目されていた。2015年、基礎控除額が3割も引き下げられるなど、「相続税強化」を契機にブームは加速した。

 相続税の計算は、キャッシュは額面のまま、株式や債券も市場の取引価格で評価される。対して、家やマンションの相続税評価額は時価に比べ、かなり低くなる。なかでもタワーマンションは、相続税評価額と時価の開きがとりわけ大きい。それを利用したのが、「タワマン節税」だ。

 たとえば、1億円のタワーマンション(1戸)を現金で購入する。現金のままだと、相続税評価額は1億円だ。それに対し、1億円のタワーマンションの相続税評価額は、立地などにもよるが2000万円~3000万円程度にとどまる。時価との差は7000万円~8000万円にも及ぶ。相続税の税率は課税総額の増加に伴って上昇し、現在、最高は55%。ほかの相続財産の額にもよるが、最高税率が適用されるとすれば、8000万円の差でなんと4400万円(8000万円×55%)もの節税になる。

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価格に占める建物の割合が高いことが理由の一つ

 「タワマン節税」が成立するのは、タワーマンションにおいて相続税評価額と時価の開きが大きいため。その理由は2つある。

 ひとつは、価格に占める土地分と建物分の割合だ。相続税の計算にあたり、土地は毎年、税務署が定める路線価、建物は固定資産税評価額をベースに評価する。路線価は一般に時価(販売価格や取引価格など)の約80%、建物の固定資産税評価額は一般に時価(建築費など)の40~60%とされる。

 タワーマンションは一定の土地に非常に多くの住戸が入っているため、一戸建てはもちろん、中低層のマンションより価格に占める土地の割合が低く、建物の割合が高い。その分、相続税評価額と時価の差が開きやすいのである。

上層階ほど節税効果が大きくなる仕組み

 タワーマンションで相続税評価額と時価の開きが大きいもうひとつの理由は、マンションの固定資産税の計算方法にある。マンションは1棟の建物のなかに、いくつもの住戸が入っている。各住戸の固定資産税は、まず建物全体の固定資産税を計算し、それを専有面積によって按分する。この場合、同じ建物内の住戸であれば、階数や方角、眺望など関係ない。

 しかし、タワーマンションでは下層階と上層階の住戸の販売価格や取引価格(時価)に大きな差がある。上層階になるほど価格が上がり、場合によっては、同じ面積で倍近く差が開くこともある。つまり、タワーマンションは上層階になればなるほど節税効果が大きくなる。逆に、タワーマンションの下層階は節税効果が小さい。

 以上の2つの理由から、タワーマンションの高層階の住戸は、相続税評価額が時価に対し70~80%も低くなるのである。

 さらに、賃貸に出せば土地は貸家建付地、建物は借家として評価がさらに下がる。「小規模宅地等の特例」により土地の評価が下がるケースもある。ほかの資産で、これだけ相続税評価額と時価の差が開くケースはほとんどない。

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2018年から建物の固定資産税が変更に

 こうしたタワーマンションの特徴を利用した相続税の節税策(「タワマン節税」)に対し、かねて課税の公平性を損ねるという批判があった。タワーマンションの高層階は1億円以上することもザラであり、富裕層でないとなかなか購入は難しい。実質「タワマン節税」は、富裕層でないと利用することができない節税対策なのだ。

 こうした批判に応える形で、国は2018年度からタワーマンションの固定資産税の計算方法を見なおすことにした。以下の表を見てほしい。

 タワーマンションの固定資産税評価額はどのくらい上がった?
 階数 固定資産税額のイメージ
2017年以前に
引き渡しのマンション
2018年以降に
引き渡しのマンション
 50階 20万円 21.2万円
(6%UP)
 40階 20万円 20.7万円
(4%UP)
 30階 20万円 20.2万円
(1%UP)
 20階 20万円 19.7万円
(2%DOWN)
 10階 20万円 19.3万円
(4%DOWN)
 1階 20万円 18.8万円
(6%DOWN)
※ 地上60メートル以上のタワーマンションが対象。試算は、50階建てのタワーマンションで、一棟全体の固定資産税が1億円、各階の部屋数を10部屋(各部屋の床面積は同一)とする。

 具体的には、地上60メートル以上(約20階)の超高層マンションは、1階高くなるごとに0.26%税額が増えるよう固定資産税の計算を調整する。1階の住戸に比べて40階の住戸なら10.9%、50階の住戸なら13.8%、固定資産税が高くなる。ただし、マンション全体の固定資産税の総額は変わらないので、中間にあたる階の住戸の固定資産税は±ゼロ、それより上の階はプラス、下の階はマイナスとなる。

 新しい計算方法が適用されるのは、2017年4月以降に売買契約が結ばれ、2018年1月1日以降に引渡しがはじまるタワーマンションだ。相続税や贈与税においても、地上60メートル以上のタワーマンションは、2018年度の税制改正で新しい固定資産税(評価額)の計算方法が適用される方向だ。

 一方、2017年までに完成して引渡しを受けているタワーマンションについては、建物の固定資産税評価額、相続税における評価は以前のままである。また、2017年以前に完成しているタワーマンションであれば、2018年以降に中古で購入しても、やはり以前のままである。

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見直しによる節税効果の減少はわずか

 それでは、今回のタワーマンションにおける固定資産税の見直しで、相続税の「タワマン節税」にはどのような影響が及ぶのか。

 結論から言えば、従来の節税効果から多少は下がることにはなるが、大勢には影響しないだろう。

 2年前に見なおしの議論がはじまった際には、「高層マンションの20階は1階の10%増し、30階は同20%増し」といった数字が例として挙げられていた。

 実際は先ほどふれたように、40階で1階の10.9%増し、50階で1階の13.8%増し。しかも、中間階を基準にして調整するので、実際の割増しは半分の5~7%程度にとどまる(1階住戸は逆に5~7%程度のマイナス)。

 時価に対し、70~80%減という「タワマン節税」の効果と比較すれば、わずかなものでしかない。

 むしろ注目すべきは、毎年の固定資産税が5~7%アップするということ。賃貸に出す場合、それだけ経費が増え、利回りが下がる。

 逆にいうと、2017年以前に完成しているタワーマンションは、2018年以降に完成するタワーマンションより固定資産税の負担において有利であり、売却にあたりプラスの要因となるだろう。

税務当局が厳しくチェックする可能性

 「タワマン節税」の効果は、今後もさほど変わらないだろうことはわかった。「タワマン節税」に対するニーズも依然として大きいと思われる。

 ただし、税務当局が個別の「タワマン節税」に対し、より厳しい目を向けることが予想される。かねて「タワマン節税」が「租税回避行為」にあたるかが問題視されていたが、さらに厳重なチェックが行われる可能性がある。

 租税回避行為とは、意図的な脱税とは異なるが、税法が想定していない不自然、不合理な形で税負担を減少させようとする行為をいう。

 相続税については税法上、明確な規定はないが、相続財産の評価方法を定めた評価基本通達第6項に「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」 と定められている。実はこの規定をもとに、「タワマン節税」について否認されるケースがこれまでもあった。

「タワマン節税」では購入と売却のタイミングが鍵

 「タワマン節税」が「著しく不適当」と判断されるかどうかは、実はかなり微妙だ。「タワマン節税」といっても、建前としては不動産投資である。タワーマンションを購入し、賃貸にまわして賃料収入を得るのが目的だ。あるいは、自宅としてタワーマンションを購入することもあるだろう。相続税の負担が減るのは、その“オマケ”というのが基本スキームである。

 「タワマン節税」が「著しく不適当」と判断されないためには、購入のタイミングが鍵を握る。相続が発生する直前、たとえば数週間前とか数か月前というのは、いかにも不自然に映るだろう。また、タワーマンションを購入する(売買契約を結ぶ)のはあくまで被相続人であり、購入時点で被相続人の意思能力に問題がないことも重要だ。認知症の疑いがあったりすると、間違いなく税務署は指摘してくる。

 売却のタイミングも重要だ。相続が発生してすぐ売却するのも、やはり不自然に映る。相続税の申告期限(相続発生から10ヵ月)はもちろん、そこからさらに1~2年程度は所有し続けるくらいの慎重さがあったほうがいいだろう。

~こんな「タワマン節税」は否認されやすい~
(1)相続が発生する数か月前に購入する
(2)購入時点で被相続人に認知症の疑いがあった
(3)相続が発生してすぐに売却する

売却するタイミングで税金の負担も変わる

 売却のタイミングは、売却した利益(譲渡所得)に対する所得税・住民税の負担も関係する。基本的に、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで、適用される税率が倍ほど違う。相続の場合、所有期間は被相続人が購入した時点からカウントする。

 また、相続したタワーマンションに相続人が自ら居住していれば、それを売却して得た譲渡所得については、「居住用財産の3000万円特別控除」が適用される。譲渡所得が3000万円までであれば非課税となり、所有期間を気にする必要はなくなる。

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 「タワマン節税」は単にその節税効果にだけ注目するのではなく、タワーマンションの購入から相続の発生、さらにその後の売却まで、トータルに検討することが重要だ。

 なお、実際に売却する際は、急いでいないということもあるので、複数の不動産会社に査定を依頼して、じっくりと相場を把握し、焦らずに販売していくのがいいだろう。その際、「不動産一括査定サイト」などを活用すると、複数の会社に簡単に査定を依頼できるので便利だ。

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、便利な「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U公式サイトはこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール公式サイトはこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S公式サイトはこちら
◆リビンマッチ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「リビンマッチ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
リビンマッチ公式サイトはこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ公式サイトはこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ公式サイトはこちら
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