中南米 2018年3月9日

ハイパーインフレで物々交換経済状態のベネズエラ。
国主導で仮想通貨を発行した現状をレポート【前編】

ベネズエラ政府の失敗から学ばなければ……

本間:国が財政や金融政策の舵取りを誤ると、どのような事態になるのかは、ベネズエラにいると身を持って学びますね。前大統領のチャベスが資本主義から社会主義に変更した後、多くの資源を国有化し、外資を排除したことで諸外国から資金調達しづらくなりました。

もともと国内生産も少ない中で、他の中南米諸国と同じように輸入に頼る構図を続けて、石油の価格と産出量がよかった時はまだ、経済も回っていましたが。

風間:原油の生産量は、確かに減少していますよね。資金不足が原因のようですが、これも国有化が足を引っ張っている気がします。またベネズエラにとって、アメリカが最大の石油のお客様ですが、アメリカでシェールガスが産出され始めたのが大きな転換点でしたよね。これはゲームチェンジャーといってもいい大きな変化でしたね。ベネズエラ経済は、このシェールガス革命によって、かなり追い込まれていった印象があります。

本間:石油価格が好調の時でも、政府関係者の多くは資金を着服していましたし、石油で潤った資金を他の新しい産業への投資も怠っていた。今、そのすべてのツケが回ってきているのでしょう。

現在のマドゥロ政権は、チャベス時代からの社会主義が間違っていたことを認めることができず、政府関係者は今、自らの保身やお金着服のために一生懸命になっているだけ、という感じがします。

風間:ベネズエラは1999年からのチャベス政権に入る前、元々は資本主義でしたから、社会主義としての歴史は比較的若い部類なのかなと。なので、未だに土地などの不動産も個人で所有できますしね。

本間:元々は資本主義だったものをガラリと社会主義体制に一変してしまい、すべてが狂った。そこに、追い打ちで石油の価格が暴落したので、ここまでハイパーインフレになってしまったのかな、と。世界中の人々は、このベネズエラ政治の失敗から学ばなければいけないと思います。

(後編につづく)

(文/風間真治)

著者紹介:風間真治(かざま・しんじ)
商社の海外営業、中南米のドミニカ共和国駐在を経て独立。現在はカリブ海に浮かぶドミニカ共和国に住みながら、主に中南米諸国でこれから経済が成長していくような国々を頻繁に回り、未知なる客先を訪ね歩いては様々な新規事業の開拓に取り組む日々。中南米ではいくつかの国に会社を作り、貿易事業、港湾の通関業、不動産事業、インターネット事業、中古車販売業などを手がける。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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