IoT時代の到来は、何をもたらすのか。これには多種多様な議論が見られるが、イノベーション理論の大家であるゴビンダラジャンは、「デジタル企業 vs. 既存工業企業」の構図で説明する。その世界で価値を生み出すためには、両陣営ともに、乗り越えるべき3つの課題があるという。


 ジェフ・ベゾス、ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ会長兼CEO)、ジェームズ・ダイモン(JPモルガン・チェース会長兼CEO)の3者は先頃、ヘルスケア部門に参入すると発表した(3社共同で新会社を設立予定)。このニュースは、ドラッグストアのCVS、医療保険のシグナやユナイテッド・ヘルスといった、業界の既存企業を震撼させた。

 この発表はまた、他の業界のCEOに対しても、次のような根本的な問いを再考するよう迫っている。マーク・アンドリーセンの有名な言葉のように、世界はソフトウェアに食われるのだろうか。これはフォード、ジョンディア(農業機械メーカー)、ロールスロイスといった伝統的な工業企業にとっても、破壊的変化を被るリスクの高まりを示す警告なのだろうか。