すでにブライアン・クローザーが離れて久しいが、ペタルマのシャルドネは今も健在

 1839年に初めてブドウが植えられた記録があるものの、アデレード・ヒルズで本格的なブドウ栽培がスタートしたのは1979年。

「ショー・アンド・スミス」のマイケル・ヒル・スミスMWとマーティン・ショー、それに当時「ペタルマ」のブライアン・クローザーがパイオニアである。前者はソーヴィニヨン・ブラン、後者はシャルドネとスパークリングワインで名を挙げた。 

 20年以上前、ペタルマのティアーズ・シャルドネはオーストラリア随一のシャルドネと譽れ高かった。しかしながら、生産量の少なさゆえに日本ではなかなか手に入らず、2000年代の初頭、ブリッジウォーターミルのセラードアでようやく入手した時の感動が懐かしい。

 今覚えば当時から、いかにも新世界的なファットでバタリーなシャルドネではなく、ピュリニー・モンラッシェを彷彿される白ワインがここでは造られていたのだ。

それぞれのワインを手に持つアデレード・ヒルズの生産者たち

 試飲はソーヴィニヨン・ブランから。アデレード・ヒルズのソーヴィニヨン・ブランの特徴を端的に表すと、ニュージーランドのものよりも果実味が高く、その分酸味はいくらか穏やか。ミドルパレットの充実したものが多いという話であった。

 しかしながら、「バード・イン・ハンド」のソーヴィニヨン・ブランはグレープフルーツやパッションフルーツの香りが前面に出ている一方、口に含むとピュアな酸味と張り詰めたテンションが感じられ、決してダルな印象は受けない。

「ショー・アンド・スミス」も目指しているのは「繊細なスタイル」で、ニュージーランドとロワールのサンセールとの中間が落としどころだという。