皆さん、こんにちは。自分で言うのもなんやけど、「採用の神さま」小畑重和です。

 昨年の11月だったと思いますが、「グリーが2013年度採用の募集要項で新卒者に対しての年収レンジを最大1500万円にすると発表」という記事を北京で見ました。この記事を見て驚いた方は、少なくなかったことでしょう。

 新卒者に破格の給与を用意する動きは、すでに中国でも起きています。連載第15回『“日本なら100万円”のIT系初任給バブル発生中』でお話したように、中国の大卒初任給の全国平均は学士で3000~4000元、院生で5000~6000元程度なのに、清華大や北京大のような超トップレベル大学の技術力が高い院生などには、2万元/月の初任給がわりと普通に提示され、なかには3万元に迫る人もいるのです。

 こうした動きは、新卒一括採用が主流ではない中国では当然のことかもしれません。しかし、新卒一括採用かつ一律の初任給が当たり前の日本でも、新卒者の年収に幅があるグリーのような会社が現れたのは、とても新しい革新的な動きといえるでしょう。

 そこで、今回は同社ヒューマンリソース本部人材開発部長の鈴木修さんと人材開発部新卒採用担当の波田野大悟さんに、急成長する同社採用戦略の裏側と「新卒年収最大1500万円」を打ち出した真相について聞いてみることにしました。

半年で社員数は60%も増加!
急成長するグリーの新卒採用は今

 グリーは、ご存じのように2004年創業、会員数約2900万ユーザー(2011年12月末時点)を誇る日本最大級のソーシャル・ネットワーキング・サービス「GREE」を運営する会社です。日本では史上初、2年連続NO.1の成長率を記録し、今では、世界を舞台に挑戦を続けています。米国サンフランシスコを皮切りに、ロンドン・北京・ソウル・シンガポール・アムステルダムなど海外拠点の設立や、 海外有力企業の買収、アライアンス戦略を積極的に進めていますね。

 連結従業員数の公表数字を見ても、2011年6月末時点で592人、2011年9月末時点で758人、2011年12月末時点で934人と半年で60%近くアップしているという、まさに急成長真っ只中です。

 さて、2013年卒の新卒採用の募集要項ですが、採用予定数は150名、職種はエンジニア職.・ディレクター職・総合職・クリエイティブ職の4つで、それぞれの初任給は以下のようになっています。

<エンジニア職>
高専・学部卒:420万円~1500万円
院卒      :450万円~1500万円
※上記範囲で、実績と能力に応じて個別に対応いたします

<ディレクター職・総合職共通>
学部卒:420万円~1500万円
院卒  :450万円~1500万円
※上記範囲で、実績と能力に応じて個別に対応いたします