3月9日、米国と北朝鮮が首脳会談に向けて動き出したものの、日本が目指す北の非核化というゴールへの道筋はまだ見えない。写真はホワイトハウスで6日撮影(2018年 ロイター/Leah Millis)

[東京 9日 ロイター] - 米国と北朝鮮が首脳会談に向けて動き出したものの、日本が目指す北の非核化というゴールへの道筋はまだ見えない。非核化ではなく開発凍結で終われば、日本に届く核ミサイルは温存されたまま。北が会談で時間を稼ぎ、その間に米国まで届く核ミサイルを完成させる可能性もある。どちらに転んでも、日本は自国の抑止力強化の検討を迫られる。

 トランプ米大統領との電話会談を終えた安倍晋三首相は9日朝、北朝鮮の非核化に向け日米が一致して圧力をかけ続ける方針を確認したと強調。「この日米の確固たる立場は決して揺らぐことはない」と語った。

 しかし、北朝鮮が30年以上を費やしてきた核開発の放棄には、大きな壁が立ちはだかる。「北朝鮮が何十年も国富を投入してきたものを捨てることになる。当然、その分の支払いを求めてくるだろう」と、外交問題に詳しい日本の与党議員は指摘する。

 また、たとえ北朝鮮が核査察を受け入れたとしても、すべてを公開したかどうかを完全に検証する術はない。「米朝は結局折り合えず、その間に北朝鮮は核ミサイルを完成させ、交渉力を強める。時間は北朝鮮に味方する」と、同議員は言う。

 テロリストなどに核が渡ることを恐れ核不拡散条約(NPT)を堅持する米国が、核開発凍結という中途半端な合意を北朝鮮とすることはないというのが、日本政府関係者の共通した見方だ。