3月7日、ドルは過去1年間で相場が大きく下落した上に、足元でも世界的な貿易戦争勃発への警戒感から下げが一段ときつくなっており、準備通貨としての支配的な地位が「風前のともしび」になっているのではないかとの見方が再燃している。写真は2月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 7日 ロイター] - ドルは過去1年間で相場が大きく下落した上に、足元でも世界的な貿易戦争勃発への警戒感から下げが一段ときつくなっており、準備通貨としての支配的な地位が「風前のともしび」になっているのではないかとの見方が再燃している。

 ただしロイターが集めたデータを分析すると、そうした懸念は行き過ぎのようだ。

 主要通貨バスケットに対するドル指数は昨年の下落率が10%と2003年以来の大きさを記録。背景には、米連邦準備理事会(FRB)が計3回利上げするほどだった米国より、欧州や中国などの方が成長ペースがまさっているという明白な事実がある。

 今年に入ってもトランプ米政権が打ち出した鉄鋼とアルミニウムへの輸入制限を巡る不安や、各国中銀による金融緩和の巻き戻しの予想を受けてドルは3%近く下落し、2月には約3年ぶりの安値に沈んだ。

 ドルは、単一通貨ユーロの導入や中国経済の劇的成長を受けて1980年代から準備通貨の地位に疑問が投げかけられてきた。しかしこの数ヵ月は、ムニューシン財務長官が「弱いドルは良いことだ」と述べた直後にトランプ氏が「強いドル」を支持するなど現政権の方針が一貫性を欠いたこともあり、売り圧力が増している。

 コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「トランプ政権の政策決定が予想不可能なため、ドルがますます売られているようだ」と述べた。