一方、野党のみならず与党内からも財務省の対応を非難する声は上がっている。そしてそれは、その段階では財務省の対応を巡って野党側が国会審議に応じることを拒否し、国会が空転したことによるものであるが、第2次安倍政権になって以降、官邸で決められたことを有無を言わさず押し付けられてきた自民党側としては、与党である以上直接的な批判はしにくいものの、絶好の反論の機会と捉えたとしてもおかしくはない。

「モリ・カケ疑惑」への対応を受けて
昨年の自民党内は「ぐちゃぐちゃ」

 そもそも、昨年のいわゆる「モリ・カケ疑惑」への対応を受けて安倍政権の支持率が急落して以降、自民党内は「ぐちゃぐちゃ」と言われるような状況になり、昨年の衆院選を経てもまだその状況は程度の差こそあれ続いてきたようであり、まさに「昨年の状況の再来」といったところにまで行く可能性はある。

 加えて、ポスト安倍を見据えた派閥間の撃ち合いも断続的に続いており、不規則に出てくる閣僚や与党議員のスキャンダルはまさにその象徴である。そうなると、財務省批判に形を借りた官邸批判のみならず、伸張する麻生派への絶好の対抗策としての財務省批判といったものも出てくる。

 この段階での佐川氏の国税庁長官辞任は、こうした動きをもすり抜ける、絶妙なタイミングを狙った、まさに「時宜」にかなったものであったように思われる。

 以上、筆者の得ている情報等に基づく推論であるが、森友問題を巡る状況は霞が関内の対立と与党内の小競り合いが絡み合ったものであり、野党はそこに乗っかっているか振り回されているといったところである。政権に対する大きな打撃になり、今後の重要政策の在り方も変わってくるものと予想され、今後の進捗はいろいろな意味で要注意である。