これまではEPAによる受け入れが大半

 こうして、技能実習生への扉が大きく開かれようとしている。これまで日本の介護現場での外国人就労は留学生のアルバイトを除くと、EPA(経済連携協定)による受け入れだけだった。

 2008年のインドネシア人から始まり、翌年にはフィリピンから、そして2014年度にはベトナムからも受け入れ、2016年度までに合計3895人が来日した。

 社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム(特養)などの施設で働き、3年後に社会福祉士か看護師の試験を目指す。つまり、EPA介護者はいずれもEPA介護福祉士候補者かEPA看護師候補者なのである。合格しないと翌年の受験はできるが、それでも受からないと帰国を強いられる。介護福祉士の合格率は、40%前後と狭き門である。母国で看護師資格を得ての来日だが、日本語の試験は決して易しいものではない。

 厚労省は「EPAは人手不足解消の手段ではない。あくまで経済問題から派生したこと」と明言している。実際、3ヵ国とも1年間の送り出し人数は300人以内と限定しており、今後も拡大することはない。

 限定された制度の中で、なんと常勤職員のうち4割がEPAによる外国人という社会福祉法人がある。特養の常勤職員のうち7割にも達しているというから相当な割合だ。

 香川県坂出市の敬世会である。EPAが始まった2008年にインドネシアから3人を受け入れ、以降毎年続けており、14年にはフィリピン人も加わり、10年間で総人数は93人にも達している。

 このうち介護福祉士の合格者は24人。勤続3年を経た受験資格者は45人だったので、合格率はほぼ50%と全国平均を上回る好成績だ。その後家庭の事情などで帰国した人がいるのは他の法人でもよく見られることで、合格者のうち残っているのは9人だという。

 最近の4年間では、受け入れた48人のうち、帰国者は5人と少ない。その結果、現在は54人が勤務している。