ワインのだらだら飲みで「歯が溶ける」は本当か

近年、ビジネスにおけるコミュニケーションツールとしてワインが人気である。ただし、ワイン好きな人の中には、ろくに食事もせずに、ひたすらワインばかりを飲み続ける人もいる。こんな方は要注意。実は、ワインは酸性の飲食物や胃液などの「酸」によって歯質が薄くなる「酸蝕症」の高リスク因子として上位に挙げられる飲み物なのである。その理由や対策法を歯科医師の立場から解説する。(歯科医師・歯学博士・日本歯科総合研究所代表取締役社長 森下真紀)

「酸蝕症」のリスク因子として
上位に挙がる「ワイン」

 ビジネスにおいて、いつの時代でも重要なのは、人との出会いや繋がりである。

 特に、組織の垣根や国境を越えてビジネスを展開する現代のグローバル社会において、良好な人間関係の構築は、仕事を円滑に進めるのに加えて、新たなビジネスチャンスを生みだす可能性を広げる基盤となることから、決して欠かすことはできない。

 そうした人と人との出会いのきっかけや、繋がりを深めたりするコミュニケーションツールの一つとして最適なのが、“ビジネスの潤滑油”としても賞される「ワイン」である。

 ワインは原料となるブドウの種類も豊富で、たとえ同じ品種であっても国や生産者、また生産された年によっても全く別物に変わる、話題に事欠かない奥深いお酒だ。

 ワインがあるだけでその場は華やかになり、ビジネスの話もより一層盛り上がる、こうしたワインの効用について強調するビジネスマンは、経営者をはじめとして枚挙に暇がない。