3月14日、受刑者の高齢化が刑務所の日常を変えている。寝たきり受刑者は介護施設を想起させ、担架を押して現場に急行する刑務官の姿は、救急病棟の医師に重なる。刑を執行するという刑務所の役割は、医療や介護にその裾野を広げつつある。写真は徳島刑務所の機能促進センターで2日撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[徳島市/東京 14日 ロイター] - 受刑者の高齢化が刑務所の日常を変えている。寝たきり受刑者は介護施設を想起させ、担架を押して現場に急行する刑務官の姿は、救急病棟の医師に重なる。刑を執行するという刑務所の役割は、医療や介護にその裾野を広げつつある。高齢者の再犯率は高く、出所後の再犯防止と円滑な社会復帰は、喫緊の課題となっている。塀の中と外が、それぞれ抱える課題に迫った。

老いる刑務所

「ゆっくりでええけん、やれる範囲でやっていきましょうか」──。

 指導員が声をかけると、39人の高齢者が体を動かし始める。いすに腰かけたまま上半身を反らせていくが、動作は一様に鈍い。

 徳島刑務所内にある「機能促進センター」では、毎日3回それぞれ10分程度、受刑者の健康維持を目的に体操の時間を設けている。平均年齢は68.1歳。体の衰えなどを理由に通常の刑務作業に従事できない受刑者ばかりを集めている。日中の作業は、部品を組み立てたりやすりで削ったりと、内職のような負担の軽いものが多い。

 同刑務所は、反社会的勢力や再犯者を中心に刑期が10年以上の受刑者を収容する。所内で年を重ねる受刑者が多いため平均年齢は高くなり、集団生活に後れを取る受刑者が増えたことから、高齢者専用棟として2016年12月にセンターを開設した。