[小野] ローカル宅急便会社との格闘でしょうか。資生堂様が期待している物流は、中国ローカル標準と比較してスピード、精度が段違いです。しかも中国全土へ商品を届けるために、我々が直接コントロールできないラスト1マイルの配送を担うローカル宅急便会社を含めて、資生堂様の期待に応えなければならないので、とてもチャレンジングな役割を担っています。とにかく、何度も繰り返し現場に足を運び、何度も繰り返しこちらの希望を伝えるなどして、地道な努力を重ねているところです。

 また中国では、商品が届いた後、お客様が梱包状態の写真を、微博、ブログなどにアップして公開することも多いので、気が抜けません(笑)。たまたまであっても、悪い梱包状態の写真が口コミで広がってしまうと、イメージダウンにつながってしまいますので、1つ1つ気を抜かずに作業しています。

2010年中国ネット人口が米国を超え
eコマース市場参入を決意

――eコマースの概要はどのようなものでしょうか?

[前田] 弊社の中国事業戦略の一環として、2011年9月15日より自社サイトでの化粧品ネット販売を始めました。現在、中国全土で販売しているスキンケアブランド「ピュア マイルド」の中のeコマース専用ブランド「ピュア マイルド ソワ」を販売しています。

「ピュア マイルド ソワ」は、中価格帯の化粧品を購入される20~30代のお客様向け商品です。実際eコマースサイトで購入されているお客様の住んでいる地域から考えると、店舗に行って購入しようと思えばできるはずなので、「店舗に行く時間がない人」、「ネット慣れしている若い人」などが購入しているのだと思います。

――御社はこれまで中国でネット販売はしていなかったのですね。

[前田] 資生堂は、中国でも競合化粧品ブランドのように「広告量」で勝負するのではなく、「商品力」と店頭の「one to oneカウンセリング力」で勝負しています。ネットでは我々の強みである「one to oneカウンセリング力」が活きないのではないかという考えから、これまでは積極的には取り組んでいませんでした。しかし2010年にはネットユーザー数で、中国がアメリカを抜いて世界でNo.1になったように、ネットというチャネルを無視できなくなってきました。そこで今回、お客様との接点を拡大するという意味で弊社も中国でネット販売に挑戦することになりました。