保険商品「長生き年金」は本当に老後の安心を上乗せできるのか

老後資金の不安を緩和し
安心の上乗せをうたう長生き年金

 最近、「長生き年金」という商品を扱う金融機関が増加しつつある。長生き年金とは、公的年金を最大限活用した上で、さらなる安心を求める人に「老後資金の最大の不安を緩和して、安心を上乗せしてくれる」という私的年金のことだ。

 長生きすることはもちろんいいことだが、老後資金のことだけを考えれば、長生きは「リスク」となる。いくら多額の老後資金を用意しても、長生きしている間に少しずつ取り崩していけば、いつかは資金が底を突いてしまう。その間に、もしインフレがやってきてしまえば、あっという間に蓄えがなくなる危険も高い。

 しかも日本人は、老後の蓄えを全て銀行に預金している人も多い。こうした行動には、「株や外貨は値下がりする可能性があるが、預金は安全だから」という考えベースにある。だが、預金はインフレになると目減りするので、実は「リスク資産」だと言えるのだ。

 公的年金や、こうした預金だけでは老後資金が不安だという人向けに保険会社が販売しているのが長生き年金というわけ。保険料を支払った顧客に対し、「生きている間は、いつまででも年金を払い続ける」というものだ。