他方、住宅購入に調整策が入ると、抜け道としての「店舗投資」が浮上する。「店舗投資20万元から」、そんな格安物件を紹介するチラシが飛び交う。

 しかし「商売」は冷えている。上海にはむしろ空き店舗が増えてきた。軽工業品の卸商が集中する老西門エリアも、空き店舗がゴロゴロしている。そこに訪れるバイヤーや個人客も数年前に比べて激減。縮小に向かっていることが手に取るようにわかる。

 上海の街ではタクシーが拾い易くなった。「雨の日の17~18時」と言えば、利用客らは争奪戦に殺気立ったものだが、そんなピーク時でも「空車」が目立つようになった。「セーブマネー」の意識がよりいっそう濃くなっているようだ。

 飲食業界も歴然とその悪化を物語る。往時は接待需要で予約困難だった店も客はまばら。賑わいを見せていた虹橋開発区の某店も空席ばかりが目立ち、回転の悪さが見て取れる。時間を切り上げて早々に店じまいする店もある。

 日本からの出張者も「上海はこんなに暗い街だっただろうか」とその変化に驚きを隠せない。

 街ではワインの叩き売りも始まった。つい数ヵ月前まではワインは高値を維持、テーブルワインなども東京よりも高く、価格は年々上がる一方だった。ところが、ここ最近、「1本の値段で2本買える」というような売り方が出てきた。つまり「半値に暴落」である。酒類の代理商は「接待需要がなくなったせいもある。安売りは在庫を手放したいためでもある」と話す。

「過去、在庫がはけないと言っても数十万元程度で済んでいた、ところが今回は1000万元超も抱えてしまっている」と語るのは地元の中国人経営者だ。これまでの好循環が目詰まりを始めたことに困惑を隠せない。

 ラジオでも「失踪者や自殺者が出ないような対策を」とのニュースが流れる。民営企業の経営者がおかれた厳しい状況が浮き彫りになる。経営者の中には本業を捨て不動産投資に精を出した者も多い。